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まち角

2019.04.25

 竹馬、竹とんぼ、水鉄砲。「竹」は、かつて身近なおもちゃの材料だった。肥後守(ひごのかみ)で、切って削って作る自分だけのおもちゃ。過程の工夫や技の上達も上質の遊びだった▼そんな竹のおもちゃたちを見なくなって久しい。竹馬は金属に、竹とんぼや水鉄砲はプラスチックになった。箸やざる、しゃもじなども同じ▼切り出される機会が減った竹は、地下茎を伸ばし、密集し、地面への光を遮り、他の植物の成長を妨げ、地滑りの危険性を高める。人にとって有益だった竹は、放置され「悪役」と呼ばれ、さぞ不本意だろう▼先日、泊の竹林でのタケノコ掘りに誘われた。落ち葉に隠れたタケノコの頭を見つけ、傷つけないよう掘り下げる。根元が見えたら、エイッとクワを打ち込む。柄を向こう側に押すと、タケノコがゴロンと転がる。皮をむくと黄色がかった白い実が現れる▼糸島の放置竹林問題には、メンマや竹炭の産業化など、多くの人たちが取り組んでいる。糸島青年会議所も、2015年から丸田池公園で竹灯籠をともしている。材料の竹は、毎年新たに放置竹林から切り出す。地域やボランティアの人たちも加わり、持続可能な事業になろうとしている▼掘りたてのタケノコは、たっぷりの水とぬかを入れた鍋で2時間ほどゆがく。いちょう切りにし、鶏のもも肉と炒め、みりん、酒、しょうゆと鷹の爪を加え、煮詰めていく。ささやかな放置竹林への取り組みは、極上の晩酌のあてになって皿に盛られた。

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