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まち角

2019.08.8

 「私のクレヨンは、みんなももいろが一ばん小さくなっていた。ももいろの次は藤いろ、そして淡いみずいろ」。画家・いわさきちひろの幼いころの思い出。淡い色調の作品は、多くの人たちに愛され続けている▼1967(昭和42)年発行の『わたしがちいさかったときに』(童心社)には、それとは異なる墨一色のちひろの絵が載る。右手に数本の花を握って立つ男の子、はだしで焼け跡に座り遠くを眺める女の子、ぐしゃぐしゃに折れ曲がった乳母車▼原爆が投下された時、4歳から小学生だった子どもたちが6年後に書いた作文や詩に、その絵たちは添えられた▼4歳だった佐藤朋之さんの作文も載る。自宅近くで遊んでいて強烈な光に見舞われ、弟を背負うおばあちゃんと防空壕に逃げ込む。お父ちゃんは、上半身にやけどを負って帰ってきた。2カ月後、夜中に「芋を食いたい」と言ったお父ちゃんは、おばあちゃんが芋を煮ている間に冷たくなった▼その朋之さんは、80(同55)年7月、排ガスで命を絶つ。高血圧や糖尿病に悩み、周囲には「原爆にやられているから」と漏らしていたという。中国新聞(広島)の記事で知った。原爆から35回目の夏だった▼戦時下のベトナムの子どもたちを描いた『戦火のなかの子どもたち』(岩崎書店)が、ちひろ最後の絵本になった。「私の役割は、どんなに可愛い子どもたちがその場(戦場)におかれていたかを伝えることです」。45年前の今日(8月8日)、55歳で亡くなる。

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