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まち角
2020.09.18
太平洋を隔てた日本と米国の指導者選び。米国では、昨年6月に現職の出馬表明と民主党の第1回候補者討論会で幕を開け、11月3日が投票日。1年半もの時間をかける▼日本では、先月28日に首相が退陣表明。9月2日の菅義偉前官房長官の自民党総裁選出馬表明に主要派閥が支持を表明し、6日間で大勢が決し、16日に同氏が首相に指名された。合流新党立憲民主は、うねりを作れずにいる▼今回の首相選びからは、外交・安全保障、環境、憲法、原発、疑惑解明、コロナ対応などなど、この国の根幹に関わる政治課題や、候補者本人の声、地域との関わりが見定めにくかった。不満を募らせる向きもあろうが、責任は、我々にもある▼かつて70%前後で推移した衆院選の投票率は、直近3回とも60%を切った。同じく参院選は50%前後。約半分の民意は意思を示さないままだ▼思い出してほしい。選挙権は、板垣退助などが命がけの自由民権運動に挑み、明治23(1890)年に勝ち取られたが、高額納税かつ25歳以上の男子による制限選挙(全人口の1%)だった。それから55年、敗戦後の昭和20(1945)年に女性が、4年前には18・19歳が選挙権を獲得した▼永田町では、年内解散・総選挙の風も吹く。次回こそ、一人でも多くの主権者が、候補者の声に十分に耳を傾け、先人が大きな犠牲を払って獲得してくれた選挙権を、使う選挙にしてほしい。