糸島新聞
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まち角

2018.10.25

 1千年ほど前の日本では「ブッダの死後、時がたつと、その教えが人々に伝わらなくなる」=「末法(まっぽう)思想」が人々を脅かす。それを癒すように「死後、阿弥陀如来にすがり極楽往生をとげる」=「浄土信仰」が広がる▼九州にも独特の浄土信仰があり、多彩な絵画や彫刻が生まれた。その200点を集めた福岡市博物館(福岡市早良区百道浜)の特別展「浄土九州」に出かけた▼「地獄」の「十王地獄図」には、亡者を裁く閻魔(えんま)大王や、うそや盗みを働いた者を責める各王と鬼が描かれる。舌を抜かれ、体を刻まれ、火であぶられる。凄惨(せいさん)な描写に人々は恐れをなしたことだろう▼「極楽」では、4㍍四方の「当麻曼荼羅(たいままんだら)」に西方極楽浄土で説法する阿弥陀如来を中心に、多くの菩薩たちが描かれる。肥後川尻(現・熊本市)から大阪の天王寺に寄付され、今回は400年ぶりの九州里帰り。糸島市志摩御床の西林寺からは、緩やかな曲線で構成された阿弥陀如来像と、御床のいわれの「床鉄(とこがね)」が展示されている▼帰り際、字を読めない民のために、般若心経を絵で表す「絵心経(えしんぎょう)」のマスキングテープを求めた。色(しき=鋤(すき)の東北なまり)即(束=矢を束ねる)是(ぜ=銭の半分)空(食う=食べる様子)とカッコ内の絵で読む。思わずほほ笑む▼後日、同展の1万人目の来場者が、糸島市の加藤芙美子さんと鍋島綾子さんだったと新聞で知った。11月4日まで。

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