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まち角
2021.01.29
東京から福岡に戻る飛行機では、右の窓側の席に座りたい。「富士山を見たい」もあるが、博多湾から空港に向かうと、高さ143㍍のシーホークホテルとペイペイドームが眼下に現れ「帰ってきた!」と実感できるから▼糸島市と唐津市の境の女岳山頂付近の唐津側に、大和ハウスのグループ社が8から10基のプロペラ型風力発電機の設置を計画している。2024年度に着工し、26年度の発電・売電を目指している▼風車の高さは最大159㍍とシーホークホテルよりも高く、必要な面積は353㌶とペイペイドーム約42個分だそうだ。言うまでもなく、再生可能エネルギーの活用による低炭素・持続可能な社会の実現には大賛成だ。ただ、その規模の大きさに怖気づく▼さらに、その計画を詳しく知らない糸島市民が多いことも不安を募らせる。建設主体は、建設予定の唐津市以外でも糸島市の福吉公民館や怡土文化会館で住民説明会を開いた▼参加してみて、近隣にお住いの皆さんの大きな不安や恐怖を実感したし、新たな疑問も生まれた。同社は、今後も説明会を開催していくという▼将来、大入や福吉から背振山脈を見上げた時、遠く稜線に覗くプロペラに親近感を抱くのか憎悪の眼差しを向けるのかは、これからの丁寧な説明と地域の皆さんが納得できる計画を練ることがカギを握る。さらさらと聞こえてまはる風車(中村汀女)。