糸島新聞
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まち角

2021.05.14

キャベツやタケノコのお裾分けをもらう。港近くでは魚のそれもあるそうな。糸島あるある。そんな暮らしが、「持続可能な社会」へのヒントだと説く本が売れている▼若きマルクス学者斎藤幸平氏の「人新世(ひとしんせい)の『資本論』」。「人新世」とは、コンクリートや海洋プラスチックなど人類の経済活動の痕跡が地球を覆いつくす時代。このままでは、地球上に人の居場所が無くなってしまう▼マルクスの「宗教は民衆のアヘンである」をもじり「SDGsは大衆のアヘンである」と挑発する。SDGsは、国連が定めた持続可能な社会への目標だが「結局、企業には消費を促すPRの道具に、消費者には消費への免罪符になっていないか?」と▼マルクスは、「労働者が団結し資本家を破れば、豊かな暮らしができる」とした。しかし、そこでも「生産力至上主義」が環境を破壊し続ける。マルクスの最晩年の草稿などから判った「資本主義以前の共同体への高い評価」に導かれ、持続可能の解として「脱成長コミュニズム」を提唱する▼「子どもの世話をするのに、対価は求めない」そこには「各人は能力に応じて与え、必要に応じて受け取る」というコミュニズムの原理があると▼お裾分けの野菜や魚も、そんな志の賜物。作家の佐藤優氏は「斎藤はピケティを超えた」と、池上彰氏は「10代のグレタの信念を学問的に裏付けた」と評している。

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