糸島新聞
1917(大正6)年創刊

毎週木曜日発行 購読料 1カ月 900円(税込)1部 225円(税込)
糸島新聞社
福岡県糸島市前原東1-8-17
TEL:092-322-2220
FAX:092-324-5115
itoshin@blue.ocn.ne.jp

ニュース
News List

まち角

2021.05.28

 天気予報が雨を告げた朝、ツバメが足許をかすめて飛んだ。「ツバメが低く飛ぶと雨が降る」のことわざどおり、その午後は雨になった▼のど赤き玄鳥(つばくらめ)ふたつ屋梁(はり)にゐて足乳根(たらちね)の母は死にたまふなり。東京へ養子に行った斎藤茂吉が、山形の生母臨終の折、ツバメの赤に母への感謝と哀悼を込めた▼ツバメは、一日300㌔以上飛ぶという。マレー半島やフィリピンなどから春先に渡ってきて、秋には帰っていく。日本では都市化で減少との報告もあるが、糸島では商店や飲食店、民家の軒先でその巣を見つけることができる▼コツは、上ではなく下を探すこと。落ちたフンが巣の場所を教える。空き家の場合もあるので、フンがあれば入居中。親鳥に、幼いヒナたちがジャジャと餌を求める声で耳でも判る▼同様に身近な鳥であるスズメとツバメは。その昔姉妹だったとか。姉妹の親の危篤の報に、スズメはなりふり構わず駆けつけて死に目に会えるが、ツバメは化粧や着飾ることに手間取り叶わなかった。以降、神様は親孝行のスズメには五穀を食べさせ、ツバメには虫しか食べられないようにし、稲が実る頃には遠い国へ行くように命じたそうな▼スズメの子育て期間は2週程で、ツバメのそれは3週程。親鳥は日に300回以上も食欲旺盛なヒナにウンカやハエなどを運ぶそうだ。茂吉はそんな姿にも母の愛を見たのだろうか。

ニュース一覧