糸島新聞
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まち角

2021.08.27

 76年前の8月9日、今のところ人類史上最後の実戦で使われた核兵器がナガサキ上空500㍍で爆発した。死者7万4千人、負傷者7万5千人。当時の長崎市民の三人に二人、今の糸島市民の約1・5倍の人が傷つき亡くなった▼1638(寛永15)年創建で爆心地にほど近い高台の山王神社も熱線と爆風に襲われた。「四基の鳥居のうち、一基の右の柱だけが今も同じ場所に立つ」と神社は伝え、市民は「一本柱鳥居」と呼ぶ▼その境内に立つ樹齢数百年の二本のクスノキも原爆で焼け焦げ、ガラス片や石片が幹に食い込む。枯死するかと思われたが、奇跡的に生き延びた。76年はクスノキにとって、その命のごく一部だが、その間に多くの被爆した方々が亡くなっていった▼長崎市出身の福山雅治さんは、ゆったりとした曲に穏やかな日常と、原爆の惨状を載せて「クスノキ」を作った。二度と「平和」や「日常」を奪わせないと。「我が魂は 奪われはしない この身折られど この身焼かれど」▼そのクスノキの保存のために福山さんが設けた「クスノキ募金」には、全国から450万円を超える浄財が寄せられ長崎市に寄贈された▼それを機に、長崎市は2018年に「クスノキ基金」を設立。原爆に襲われながらも生き延びている30本の被爆樹木の保存と活用に取り組み、ふるさと納税も含め多くの個人や企業から善意が寄せられている。

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