糸島新聞
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まち角

2022.01.21

友人がゴッホの絵のクリアファイルをくれた。背を丸め椅子に座る老人の素描「コーヒーを持つ老人」。「お前が焼酎ば飲む姿に似とうけん」と言う友に、「こげん、しけた顔はしとらん」と答えた▼わずか10年ほどで二千点を超える絵を描いたゴッホ。画商をクビになり、神学校受験に挫折、女性にフラれ、ストーカーもどきも。友人も次々に失い、酒におぼれ、耳を切った。社会に適合できず、37歳で拳銃自殺。生前に売れた絵は1枚だとか▼死後、「炎」「狂気」の画家と、生き様も含め高く評価される。日本人が、その絵を124億円で落札したことも。日本に憧れ、貧しい暮らしの中で浮世絵を買い求めた。浮世絵を模した作品も遺し、「日本に行きたい」と願い、叶わず、晩年暮らしたアルルにフランスの中の日本を見た▼だから、日本人はゴッホが好きなのかもしれない。もし、ゴッホが糸島に来ていたら大傑作が生まれたか?妄想は拡がる▼その魅力を見出したひとりがヘレーネ・クレラー=ミュラー(1869~1939)。彼女は、事業で財を成した夫と美術品を収集、特にゴッホは個人で世界一の270点を集めた▼そのコレクション「夜のプロヴァンスの田舎道」「悲しむ老人」などを含む52点のゴッホ展が福岡市美術館(福岡市大濠公園)で開催中。2月13日まで(月曜休館)。週末は、「コーヒーを持つ老人」に逢いに行きたい。

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