糸島新聞
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まち角

2022.03.11

学校から帰ると、火鉢にかかった鍋から漂う湯気と香りで、その晩の献立が分かった▼少し酸味がかった香りはボルシチ風シチュー。本物は、赤い野菜ビーツでスープに色と酸味を加える。そんな珍しい野菜が手に入る時代ではなく、トマトとケチャップで代用したからボルシチ風。母は、ロシア料理だと教えてくれ、ロシア民謡なども引き合いに「ソ連はえずかけど、ロシア人はそうやないとよ」と言っていた▼先週、母に調理法を聞いた。「もう長いこと作らんけん、忘れた」と言うものの、なんとか聞けたので皆さんにもお教えする▼大鍋の水で大きめに切った豚バラ肉を煮て、あくを取る。固形スープの素とケチャップを入れ、適当に切ったキャベツ、トマト、ニンジンを入れる。タマネギとジャガイモは小ぶりのものがあればそのまま、無ければ適当に切って強火の後に弱火で煮込み、こまめにあくを取る。野菜が煮えたら適当に塩コショウで味を整え出来上がり。「適当に」がやたら登場する▼それがウクライナ料理だと知ったのは、最近のこと。連日のロシアのウクライナ侵攻報道の中で▼東欧の寒空の下、逃げ惑う親子は、この料理を何度食べたのだろう。次は、いつ食べられるのだろうか。「ロシア料理」との記憶のすべてを「ウクライナ料理」に上書きしたいが叶わない。両国民が大好きだというピロシキと一緒に食べてほしい。

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