糸島新聞
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まち角

2022.05.27

志摩船越の納骨堂前に「海軍航空隊玄界基地之跡」の碑がある。太平洋戦争末期、フロートをつけた水上爆撃機瑞雲(ずいうん)が沖縄へ飛び立ち、戻らない機も少なくなかった。基地は、船越を中心に、岐志、小富士、松末、深江にも置かれた▼わずか五ヵ月ほどだったこと、海から飛び立つ水上機に滑走路は不要、さらに敵の目を欺き既存の家々を宿舎にしたため、その跡は残らず時は流れ、忘れ去られた▼ただ、10代20代の若い兵員千名以上と地元住民の交流は日常的に行われ、子どもたちはフロートの上に乗せてもらい、大型輸送機の見学をした事もあった▼寄宿する民家では、神棚に燈明をあげ無事を祈った。夕刻の出撃時には近くの住民や女学生たちが帽子や白いハンカチを振り見送った。船越の2軒の銭湯は、兵員たちで湯船が満杯になったという▼戦後復員した若者たちからの手紙も残る。「僅かな間でしたが、村の人たちに大切にしていただき、それこそ楽しい思い出だけが残っています(海軍上等飛行兵曹)」「一時の間、戦争を忘れさせてくれる郷里でした。のんびりした静かな楽しい思い出しか残っていません(海軍中尉)」▼志摩歴史資料館の「玄界航空基地‐瑞雲隊と基地の人々」では、基地の設置から終焉(しゅうえん)までを、若い兵士たちと地元との交流も交え紹介している。月曜休館。大人220円、65歳以上・小中学生無料。9月4日まで。

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