糸島新聞
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まち角

2022.06.3

爽やかな風が、黄金色の麦畑をわたる。その麦の穂の動きが、その風がどこから来て、どこに行くのか?さらには、その強さも教えてくれる。麦秋に緑萌える可也山が映える▼この心地よい季節が一年で一番忙しいのが、米と麦を作る二毛作農家。麦の収穫と田植えが一時にやってくる。麦を収穫し、その畑を耕し、肥料を施し、水を入れ、苗代を作る。並行して苗箱にまいたモミが苗に育つと、ようやく田植えができる▼先日、糸島市岩本の農家、井田磯弘さん(85)の苗箱作りを手伝った。息子の磯和さん(60)と孫の和良さん(24)の三代に親戚や知人が助っ人として加わる。井田家では、全ての苗を自ら育てる▼母屋前の納屋に、工場を思わせる10メートル超の製造ラインが鎮座する。右端にセットされた空の苗箱が、そのラインを自動的に左端に移動する。その間、箱の上方から、順番に培養土、モミ、水、培養土が苗箱に落ち、5秒に一箱が完成する▼ヒノヒカリはじめ6種、6000弱の苗箱が2日で作られた。4日ほどで発芽する。かつては発芽に一週間ほどかかっていたが、モミの消毒を農薬からお湯に変えて、早くなった▼磯弘さんは、「昔、ここいらは海やった。だから私の名に『磯』がついとう。先祖が苦労して干拓してくれたけん百姓ができる。ほんなごとありがたい」と話す。磯弘さんは、加布里湾唯一の海苔漁師でもある。

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