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まち角

2018.12.27

 今年のえとは戌(いぬ)。新年号に糸島の狛(こま)犬の写真を載せた。狛犬は空想上の霊獣で犬ではないが、「この一年、寺社を、そして私たちを守護してほしい」と願いながら連載もした▼神社総代会糸島支部長時に亡くなった友池五郎さんと井田原の倉橋孝之さんが集めた資料を、糸島神職会が引き継ぎ発行した「鎮守乃杜」と、糸島高校歴史部の「イトシマ地域における狛犬の導入と展開」には、大変お世話になった▼糸島には、鎮守の森から、多くの参拝客を迎える神社まで、200社を超える神社がある。海を望む、山の懐に抱かれる、小高い丘の上に、畑の真ん中に、その趣は百社百様だ▼ある秋の日、二丈の産土神(うぶすながみ)近くで道に迷い、集落のご婦人に神社までの案内を乞うた。神社への細い道は、数十年前に地域の人たちで普請したもの。両脇の畑は耕作が放棄され、境内一面をイチョウの落葉が覆う▼ご婦人は「ギンナンを拾う人もおらんごとなった。昔はそんついでに掃除しよったっちゃけどね」と話し、「年寄りばっかやけど」翌週の神事(じんじ)前に、集落の皆で掃除をすると教えてくれた。地域と神社はつながっていた▼狛犬は、顔が怖かったり、愛嬌があったり、子狛犬を抱えたり、逆立ちしたりと、奉納した人たちの多様な祈りも伝える。来年も、もう少し狛犬の連載を続けようと思う▼初詣の折には、狛犬台座の背面も見てほしい。奉納年や奉納した人の名から、何かが見えるかもしれない。

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