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まち角

2019.02.14

 毎年末、酒蔵には鮮やかな緑の球体が下がる。杉で作るから杉玉。新酒ができたことを知らせる。福岡市西区元岡の浜地酒造 杉能舎(すぎのや)では、新旧ふたつの杉玉が、「新春!蔵開き」に訪れた客を迎える。3月3日まで、土日祝日開催▼糸島市本の白糸酒造でも、今月23、24日の酒蔵開き「ハネ木祭り」の前に、田中信彦社長が作る杉玉を下げる。いくつもの籐(とう)の輪を組み合わせ、サッカーボールよりやや大きい球体のかごを作り、そこに杉の枝を隙間なく差し込み、最後に全体を剪定(せんてい)し整える▼必要な杉の枝は1㌧トラック1杯分。白糸の滝の奥まで車を走らせ、完成までに3日半をかける▼同酒造は、3年前に仕込蔵を建て替え、繊細な温度と時間の管理を最新の設備がサポートする。一方、出来上がったもろみ(発酵した酒のもと)の酒袋を搾るのは、江戸時代から続く「ハネ木搾り」。最新の技術と伝統の技が助け合う▼ハネ木搾りは、長さ8㍍ほどのカシの棒の一方を低めに固定し支点とし、逆の高い一方に石の重しをぶら下げる。てこの原理で、支点と重りの間の作用点から酒袋にゆっくりと重さが伝わる。手作業で搾る原酒は、独特のふくよかな味わいになるそうだ。その棒は、酒蔵の天井、柱と同様、長年殺菌のため柿渋で塗られ、朱色のにぶい光を放つ▼春は名のみの、酒が恋しい季節。糸島の酒蔵で育まれた新鮮な新酒を、ちびりちびり楽しみながら、身も心も温まりまっしょい。

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