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農家の創意工夫引き出す 連載「伊都キャン」農場 (上)スマート農業

2019.08.29

「伊都キャンパス農場フォーラム」のパネルディスカッション。「アグリコラボいとしま」岩城会長(右端)や、生産農家の松﨑さん(右から4番目)も出席

 九州大・伊都キャンパスに、同大農学部附属農場(糟屋郡粕屋町)が来年夏までに移転整備され、日本最大級のオンキャンパス農場(キャンパス内の農場、約23㌶)の運用が順次始まる。大学農場が地域農業に何をもたらすか考える「伊都キャンパス農場フォーラム」(同大大学院農学研究院など共催)が8日、キャンパスで開かれた。パネルディスカッションでの多彩な意見を、2回に分けて紹介する。

  ■生産性アップ焦点

 パネラーは糸島、福岡両市の生産農家や企業、同大農学研究者ら8人。
コーディネーターの岡安崇史・同大大学院農学研究院准教授が振った問いは「農業就業人口の減少など新たな局面を迎えるわが国の農業強化策として、国はスマート農業(ロボット技術やICT=情報通信技術=を活用する新たな農業)の推進や農産物輸出強化などの対策を打ち出しているが、十分か」。

 九州経済調査協会事業開発部の岡野秀之部長は、高度成長期に300万人いた九州(沖縄・山口含む)の農業就業人口が、2015年に40万人を切っているデータを示し、「生産者の減りが大きい分、1人が農地を広く見ないといけない状況。スマート農業で生産性を上げ省力化し、付加価値も上げて生産管理する流れになっている」と説明。

  ■予測―環境制御

 同大大学院農学研究院の北野雅治教授(農業気象学)は「高知県の施設園芸で、作物がどれだけ光合成しているかという情報を農家に提供し、農家がそこからどんな創意工夫を引き起こすか、社会実験している」と、現在進行中の取り組みを話した。

 北野教授と一緒に社会実験に参加している富士通・産官学連携推進統括部の山崎富弘エキスパートは「植物の生理生態や光合成のモデル化にAI(人工知能)を組み合わせることで、より精緻で汎用性のある成長予測システムを作る。そこから(栽培の)環境制御システムを作ろうと取り組んでいる」と補足した。

  ■自分に合うICT

 米・麦・大豆の専業農家「百笑屋」=糸島市二丈松末=社長の松﨑治久さんは、米麦栽培はこれまで、葉の色の濃淡を見て肥料の必要量を判断するなど感覚の世界できた、とする。「今は、ドローンで撮影した葉緑体色素の量から、窒素やマグネシウムの不足が分かる時代。自分に合ったICTの導入を、農家も考えていくことが大事では」と語った。

 糸島市内の農業について、フォーラム共催団体の一つ「アグリコラボいとしま」の岩城賞弘会長が発言。この約10年で、総農家戸数は大幅に減った一方、専業農家数は570戸前後で変わらず、新規就農者の中には売上1500~2千万円の人が10人以上いる背景もあり、農業生産額が155~160億円ほどで推移と説明。「農業と観光で糸島は食えるんだ、と自信を持った糸島市とJA糸島に、農家が『俺らも頑張ろう』とついて行っているのでは」と語った。

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