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糸島「スマート水田」効果実証 「アグリコラボ」で報告 水位センサーで管理耳環半減

2020.02.25

井田会長のほ場で行われた自走型軽量土壌分析システムによる実演会

「スマート水田」の優れた点を話す糸島稲作経営研究会の井田磯和会長

県農林業総合試験場豊前分場の石丸知道専門研究員

九州大大学院農学研究院の南石晃明教授

 ICT(情報通信技術)など先端技術を取り入れた農機や管理システムで収量アップ、省力化を図る「スマート農業」が、糸島などの稲作の実証栽培で効果を上げたとする報告が8日、九州大伊都キャンパスの会議室で開かれた「糸島農業産学官連携推進協議会」(通称・アグリコラボいとしま、岩城賞弘会長)のワークショップであった。

 福岡県や茨城県、農研機構(茨城県つくば市)などでつくる「農匠(のうしょう)ナビ1000」(次世代大規模稲作経営革新研究会)が、農業経営者目線の技術パッケージ開発に取り組む研究プロジェクトのうち、主に2016〜18年度の内容が報告された。糸島での実証現場は、糸島稲作経営研究会の井田磯和会長(57)が糸島市千早新田で栽培する水田(29㌶)。

 「農匠ナビ1000」の代表を務める同大大学院農学研究院の南石晃明教授(農業経営学)は、プロジェクトの狙いについて、稲作に関する①施肥や収穫などの農作業情報②田んぼの水温や土壌の状態などの環境情報③収量や品質などの作物情報―を多数集めて解析し、役立つデータを現場にフィードバックすることと説明。

 大型機械の操作技能が熟練者レベルになれば、初心者に比べて米の生産コストを2〜3割低減させられること、水田に水位センサーを取り付けたことで、水管理に充てる時間を半分程度に減らせたことなど、「スマート水田農業」の効果を概説。「ICTを導入することで生産工程がデータによって『見える化』する。それが、栽培の基本技術をきちんと守るきっかけになる、と分かった」と指摘した。

 県農林業総合試験場豊前分場(行橋市)の石丸知道専門研究員は、井田会長の水田での実践例を詳しく解説した。

 ほ場ごとのもみ収量などを測定できるITコンバインで調査し、収量の多寡で3分類。低収量のほ場の土壌分析で、酸化鉄やケイ酸不足などの課題が判明。資材の投入や(出穂期から25日間は田に水をためず湿潤状態に保つ)飽水管理などの対策を取った結果、3〜14%の増収効果があったそうだ。

 また、プロジェクト期間中、土壌反射光スペクトルと精度の高いGPSとを組み合わせ、東京農工大が開発した「自走型軽量土壌分析システム」をトラクターに搭載、ほ場を走行させる実演会も開かれた。土壌の化学性や物理性を表す32項目を「土壌マップ」として見ることもできた。

 井田会長は「(プロジェクトで)一番いいと思ったのは土壌センサーによる土壌分析。(1枚のほ場の平均でなくほ場内の)場所場所でpH(水素イオン指数)などが細かく分かり、どこにどんな土壌改良剤を入れれば収量改善につながるか、マップ上で分かる。また、水が抜けにくい干拓地の水田では飽水管理が有効な方法とも確認できた」と話した。

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