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「ニーズとシーズ絡ませる」  アグリコラボいとしま・岩城賞弘 会長 (68) 「九大農業」連携 インタビュー連載 (中)

2018.10.18

九大伊都キャンパスを背景に、糸島市志登に立つ「アグリコラボいとしま」の岩城会長

 ◆テーマ決め共有

 ―通称で知られるようになった「アグリコラボいとしま」はどんな組織か。

 「正式名称は糸島農業産学官連携推進協議会。糸島地域の農業者、JA糸島、九州大大学院農学研究院、糸島市、県の福岡普及指導センターの5者で、2010年春に発足した。困っている問題や、こうしたいというニーズ(必要性)を抱え地域資源を持つ農業者と、知的資源を有し研究のシーズ(種)を求めている九大などが、交流し共同研究に取り組む中で結び付き、糸島地域の農業活性化につなげるのが狙いだ」

 ―九大と生産者の連携が前提の組織と分かった。これまでどんな活動をしてきたか。
「『鮮度保持』『糸島の土を知ろう』『新たな市場開拓』などのテーマで、ワークショップや講演会を年に2、3回開き、先端技術や流通の仕組みなどの情報を共有してきた。情報通信技術(ICT)を活用した『スマート農業』や『土づくりの形』など3回シリーズのテーマも。九大の先生にご登壇いただくことが多かった」

 ◆糸島を研究現場に

 ―現在、活動9年目。これまでを振り返り、課題はあるか。

 「旧帝大のイメージが強い九大に対して、生産者の中には敷居の高さを感じている人もいる。九大がウエートを置く基礎研究の大切さは理解しているが、収量をどう上げるかとか口蹄疫(こうていえき)の防除のポイントなど、他の地方大学が力を入れる『実学』にリンクする形で、もっと入り込んでほしい。現場でのニーズとシーズの絡みが十分ではない、とも感じる」

 ―組織の目的達成は道半ばだと。

 「九大の農学研究院の先生たちのフィールドは、多くが筑後地域とか糟屋郡内。糸島をフィールドとしている人がまだまだ少ないのが残念」

 ◆〝顔合わせツアー〟

 ―そうした課題に何か妙手は?

 「11月中旬に、農学研究院の先生たちを対象にした『糸島農業視察バスツアー』を初めて行う。1日かけて、ミカン、大豆、トマト、イチゴなどの生産農家8軒を訪ね、直売所『福ふくの里』(糸島市二丈福井)も回る。糸島の現場を見てみたいという先生たちの要望に応え、糸島で関われる『シーズ』探しのヒントになれば。生産者にとっても、先生たちと顔を合わせいろんな『ニーズ』を話せる。伊都キャンパスに移った農学系を身近に感じる好機になれば」

 ―いい企画では。

 「手前みそだが、アグリコラボは素晴らしい組織。これまで以上に活性化させないともったいない。まだ移って来てない(糟屋郡粕屋町の)農学部附属農場が伊都キャンパスに造成されたら、糸島の売上高の6割近くを占める園芸部門の生産者の九大への関心も一気に高まるだろう」

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