糸島新聞
創刊100周年

糸島新聞社
1917年(大正6年)創刊
福岡県糸島市前原東1-8-17
TEL:092-322-2220
FAX:092-324-5115
itoshin@blue.ocn.ne.jp

ニュース
News List

「交流機会、たくさん持ちたい」  九州大大学院農学研究院・福田晋研究院長 (61) 「九大農業」連携 インタビュー連載 (下・後編)

2018.11.1

農学研究院のビニールハウスや糸島地域の遠景を背にオープンデッキに立つ福田研究院長

◆オンキャンパス農場

―農学部附属の原町農場(糟屋郡粕屋町)は、少し遅れて2年半後までに移転すると聞く。

「農学部から(伊都キャンパスの)南ゲートまでの長さ約900㍍の一帯を普通畑や果樹園などとし、キャンパス総面積の8・3%に当たる22・7㌶を農場として整備する。特に果樹園は10年、20年たつとすごい景色になるだろう。学内散策に向く素晴らしいコースができる。九大の一つの『顔』となり、福岡、糸島の人たちの九大への見方が変わると思う。少しでも早い完成を大学に求めている」

―今は人工的に感じるキャンパスイメージが、大きく変わると。

「キャンパス内にこれだけの規模の農場を全部備えるのは全国の大学で初めてでは。私たちは『オンキャンパス農場』と呼んでいる」

◆「産業化」を意識

―農学研究院の研究環境、農学部の教育環境が、あと2年余りで整う。

「植物、動物、微生物など生物資源を保全しながら利用するのが農学。理学も生物資源を扱うが、基礎研究に徹する点が農学と違う。農学研究者の特徴は、常に『出口』、つまり産業に結び付ける意識を持っていること。先に(前号で)話した「QBeef」の例など、『産業化』は農学の持つ最大の使命だと思う」

―「産業化」を意識する研究者と営農者の距離が、移転で縮まった。

「農学研究院で技術開発したものを、キャンパス近くの農場ですぐに『実証』させてもらえるなら、その意味は非常に大きい。営農者の方たちにキャンパスへ来てもらい、われわれの研究に関心を持ってもらえるかもしれない。都市化した箱崎では難しかった連携が、糸島はとてもしやすい」

◆連携の種いろいろ

―連携の具体的なイメージは。

「普段から交流の機会を持っておけば、営農者、研究者ともお互いチャンスが増えてくる。農に携わる皆さんが抱える課題解決のきっかけが生まれたり、研究者が自分の技術を使い何ができるかヒントが得られたりする。交流の機会をたくさん持ちたい」

「私は糸島農協の農業振興計画策定のアドバイザーとして長らく関わっている。また、専門が農業経済や流通なので、糸島の農業経営者も多数知っている。連携の種はいろいろある」

―(連載の「中」で紹介した)「アグリコラボいとしま」の活動も活発化するのでは。

「アグリコラボには、学生や大学院生も含め、若手研究者の参加を促したい。(農学研究院の)移転前の8年半の活動が第1期とすれば、これから新たなステージに入る。農産物の新規開発などもどんどん起きてくるのではないか。移転後、福岡市農協の青年部や糸島市役所の農政担当の訪問を受けた。こちらはウェルカム。地域との垣根をなくしていきたい」

(おわり)

ニュース一覧