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学級閉鎖、暮らしに影 コロナ第6波 保護者ら負担重く 糸島市
2022.02.11

教室ではオンラインを併用しながら、授業を進める=桜野小学校
オンライン授業も併用 「学びは止めない」学校現場
市内小中学校では昨年、全児童生徒にタブレット端末が貸与されたことで、家庭でもオンラインで授業を受け発表したり、健康観察を行ったりもできるようになっている。
同市志摩桜井の桜野小学校(児童数100人)では、第6波が強くなってきた1月から対面授業とリモート授業の併用が本格化した。「感染が不安だから休ませたい」や「濃厚接触者の接触者となり休んでいる」など児童が元気で授業を受けることができる場合は自宅でタブレットを使用してオンライン授業に参加している。
4日には全6クラス中4クラスがリモート学習を併用し約1割の児童が画面越しに授業を受けた。実施する教師は「顔の表情が確認できる上、話しかけることもできている」と話している。
学級閉鎖で給食数減 生産者グループやりくり大変
学校現場では、学級閉鎖に伴う給食食数の調整に追われている。糸島市教委によると、前日までに閉鎖となるクラス数、食数が決まるので、各学校の担当栄養士が納入食材の発注数量を減らして対応している。牛乳は消費期限が多少あるので、後日の給食に充当したりして極力、ロスが出ないように対応しているという。
だが、糸島市の給食では、生産者グループから納入される野菜、果物が多く利用されていて、給食用に数日前から前日にかけて用意した野菜、果物が突然不要になって困惑している生産者も多いようだ。
市内でブロッコリーを5つの小学校に納入している生産者は、ある日の給食用に130㌔のブロッコリーを袋詰めして用意していたが、加布里小で前日に50㌔分がキャンセルになったため、袋から出してJA糸島の出荷用に詰め替えたという。「多品目の野菜を給食に作付けしている生産者は大変だろう」と語り、さらに「コロナの影響でここ2年野菜の安値傾向が続く。農家にとっては収入減につながる」と困惑の表情を見せている。
コロナ感染拡大抑えろ 糸島保健所40人以上の体制で

発生届受理のチェックシートに目を通し、連絡漏れなどがないか確認する宮﨑所長
変異株「オミクロン株」の感染拡大とともにコロナ感染者が再び急増し、糸島市内では2月6日に2700人を突破、連日のように100人前後の新規陽性者が続いている。糸島市を所管する糸島保健福祉事務所(糸島保健所)は陽性者には基本的に、宿泊療養施設を勧めているが、自宅療養者も増え続けているのが現状だ。
同保健所ではPCR検査の結果連絡や今後の療養の指示などの電話対応、検体を運ぶ作業などコロナ関連の作業は、保健所職員35人に加え派遣職員5人、糸島市職員4人も加わり40人以上が対応している。2月からは、毎日電話をかけて健康状態を観察する自宅療養者を、40歳以上で基礎疾患があるなどの重症化リスクがある人だけにした。
職員が聞き取った疫学調査の結果を基に濃厚接触者の判断も宮﨑親(ちかし)所長が行う。PCR検査の結果が陰性でも濃厚接触者であれば、陽性者との接触の翌日から7日間の自宅待機が求められる。
職員の多忙を極める業務は深夜までにおよぶことも。宮﨑所長は「PCR検査の結果連絡など業務を翌日までに積み残すことを防ぎ、適切なPCR検査で一人でも感染者を増やさないように」と職員と共に気を引き締める。そして「これだけ増えれば皆が注意するが、家庭内感染はなかなか防ぎにくいもの。外出時は人混みを避け引き続きマスクをしっかりしてください」と改めて強調した。
家族陽性に、濃厚接触者に 市内の女性、今後に危機感
職場や学校で感染し、さらに家庭内で感染が広がるケースが目立つ。
市内に住む70代の女性は、1月に近くに住む息子家族が新型コロナに感染し、濃厚接触者となり心配な日々を送った。
息子は職場で濃厚接触者となりPCR検査で陰性だったが、その妻と小学生の次男の陽性が判明しホテル療養。女性の息子とその長男は自宅待機となったので、女性は玄関口まで物資を届ける形でのサポートを続けた。「こんなに身近に起こるなんて怖かった。感染に気を付けて過ごさねばと改めて思った」。また、「息子の仕事も休んだ分休業補償があるのか、生活に困るのではなど、今後の不安は尽きない」と話していた。