糸島新聞
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昭和の糸島336

2021.10.8

 辺田の渡し 昭和41年4月

昭和6年(1931)に弁天橋が完成する前までは、旧怡土郡の加布里と旧志摩郡の小富士を往来するには、渡し舟が利用されていた。渡し場は、前原側から見て対岸の辺田に行く「辺田(へた)渡し」が長野川と泉川の合流地点近くに、加布里湾を渡って寺山へ行く「寺山渡し」が加布里漁港付近にあり、この二カ所の渡し場で人や物が行き交う重要な交通機関だった。

ただ、干潮の時には困難したという。辺田の渡しでは、船頭さんが澪(みお)を頼りに船を操るが、川岸近くではまるで泥の中を進んでいるようで、時間がかかる。待ちきれずに船から降りて歩こうとすると、膝の上まで泥にはまって身動きがとれなくなって困る人もあったという。

また、一方の「寺山渡し」でも、寺山から乗った乗客たちが、目的地の加布里漁港周辺が引き潮で近づけないときは、船頭さんから「ここで降りてやんなっせえ」と申し訳なさそうに言われ、姫越など別の場所で降ろされたという話もある。

また、大潮の時などは荷物を頭に載せて渡る人もいたそうだ。干満の差が大きい加布里湾ならではのことだろう。写真は、辺田の渡しの跡で釣りを楽しむ子どもたち。

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