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認定看護師4人が出前講座 糸島医師会病院、初企画

2019.04.25

感染管理認定看護師の床次看護師長(左)と乳がん看護認定看護師の白石看護師

 5月12日は「看護の日」。特定分野の看護の高い技術や豊富な知識を持つ「認定看護師」をご存知ですか。同看護師4人を擁する糸島医師会病院(糸島市浦志)は、地域住民、地域の病院や介護施設などを対象に、認定看護師を派遣し医療の知識を身に付けてもらう無料の「出前講座」を始めた。

 地域医療支援病院である同病院が、地域に貢献しようと初めて企画。認定看護師資格は21分野あり、6カ月の教育を受け、日本看護協会の各認定審査に合格しないと取れない。

 同病院の感染管理認定看護師の床次(とこなみ)しのぶさんは「ノロウイルス対策」などを、乳がん看護認定看護師の白石君江さんは「知ってほしい『乳がん』」のテーマで、1時間程度話す。

 出前講座を希望するグループや施設が会場を用意する必要がある。申し込みは、希望日の遅くとも1カ月前までに。詳しくは、同病院のホームページ=http://itomedhp.jp/course/course_pt.html=を。

 申し込み、問い合わせは、同病院地域医療連携室=092(322)2155。

  ◇   ◇

 摂食・嚥下(えんげ)障害看護と緩和ケアの認定看護師を紹介する。

「食べ続けてもらうために」 山口看護師(摂食・嚥下障害看護)

患者さんのあごに軽く触れて口の中の状態を聞く山口看護師

 摂食は食べること、嚥下は飲み込むこと。「これができないと飲食できないから低栄養に陥り、フレイル(虚弱)やサルコペニア(加齢による骨格筋量低下)になり、さらに嚥下障害が進む悪循環に。どこかでストップし、食べ続けてもらいたい」。

 看護師歴25年。4年前に「摂食・嚥下障害看護」の認定看護師資格を取った山口美香子さん(46)=地域包括ケア病棟勤務=は、摂食嚥下の大切さを強調する。
資格取得を決意したのは、出身地の長崎県壱岐市で訪問看護をしていた時。誤嚥性肺炎で入退院を繰り返していた患者さんを担当し、調子がよくならないことを知り合いの言語聴覚士に相談。患者さんはむせているか、食べるとき足が床に着いているかなどの質問に、全く答えられなかった。「私は20年間、患者さんの何を見てたんだろうとショックで。訪問看護にも不安を覚え、勉強するしかないと腹をくくった」と話す。

 名古屋の看護協会での受講期間は半年。休職し、座学や実習で専門知識や技術を学び取った。

 全病棟を巡回する中で重視するのは三つ。患者さんの口の中の汚れを取り除く口腔ケア、寝た状態で口が空いたままにならないよう患者さんの枕のポジション調整、患者さんにどんな形態の食事を食べさせるかの判断。「食べることは生きること」を信条に、日々取り組んでいる。

「痛みのコントロールと傾聴」宇戸看護主任  (緩和ケア)

緩和ケア病棟の患者さんと話す宇戸看護主任


 がんと診断された患者さんが、入院して痛みや息苦しさなどつらい症状をコントロールしたり、抗がん剤治療の合間に利用したりする同病院の緩和ケア病棟(14床)。

 ここに8年前から勤務する宇戸(うど)智子さん(52)は、外科病棟担当だった20年ほど前、同病棟にいたがん終末期の患者さんにゆっくり寄り添うことができなかったのを、今も申し訳なく思っている。当時は緩和ケアという言葉もなかった。状態が変化し目が離せない術後の患者さんに時間を取られ、日に日に弱っていく終末期の方に十分な時間を取れなかったのだ。

 緩和ケア病棟で働きだした宇戸さんは、回復が見込めない患者さんの「もう死んでしまいたい」の声に、何も応えられないことがあった。奮起し、緩和ケア認定看護師の資格を取って6年たつ。

 医療用麻薬の種類や服用方法が増え、痛みはコントロールできるようになった。呼吸困難や吐き気、腹水などにも対処。「その人らしい生活の質(QOL)を上げるのが目標です。体のつらさが収まると強まる患者さんの不安な気持ちは、ありのまま受け入れて傾聴しています」。

 人生の最期を慣れ親しんだ介護施設や自宅で、と希望すればみとりができるように、サポートしていきたいという。

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