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オンラインで震災の記憶伝える 修学旅行宿泊先の「南三陸ホテル観洋」 福岡舞鶴高、同誠和中

2021.03.19

画面越しに震災直後の経験談を伝える「南三陸ホテル観洋」の伊藤俊さん

東日本大震災から10年を迎え、手を合わせて黙とうする生徒たち

 東日本大震災から10年を迎え、福岡市西区徳永の福岡舞鶴高、同誠和中(ともに國友秀三校長)で12日、オンラインによる社会人講話「東日本大震災から10年」が開かれた。全校生徒512人が、当時の状況と復興の現状を学び、被災者の思いに触れた。

 修学旅行の国内外5つのコースの1つに東北地方が設定され、現地で復興支援ボランティアに取り組んでいる同高。修学旅行中の宿泊先にもなり、「震災を風化させない」と従業員が宿泊客と被災地を巡る「語り部バス」を走らせている「南三陸ホテル観洋」(宮城県南三陸町)の営業第一課長、伊藤俊さんが当日の講師を務めた。

 震災発生当日、伊藤さんを含めた従業員は、同ホテルに滞在していた約350人を高台の施設へ避難誘導し、二次避難所として約600人の避難者を受け入れたという。

 伊藤さんは、さびて赤茶けた鉄骨だけが残る「防災対策庁舎」や、時計が2時48分で止まっている「戸倉中学校」などの写真を紹介。「災害はモノだけじゃなく、人の心も壊す」と、町が津波で壊滅的な被害を受け、多くの町民が犠牲となった当時の様子を伝え、「緊急時の迅速な判断、意思決定は日頃の心構えが肝心」と備えの大切さを訴えた。

 「私の話を聞いて、それがゴールではありません。聞いて感じたこと、気づいたことを、今後の行動、判断に生かして、未来へつむいでいってほしい。いつかまた、現地に足を運んでほしいと願っている。またお会いできる日まで、お互い前を向いて進んでいきましょう」と語った。

 同高1年の美浦佳苗(かなえ)さんは「自然災害の前に、人の力は無力だと思っていたが、最後まで生きることを諦めない人の命は本当に強いと感じた。命が強いからこそ、他の人の命を守ることができる。大切な人を守ることができるよう今後に生かしたい」と力強く話した。

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