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「芥屋かぶ」魅力発信 糸農松前開斗さん優良賞 「芥屋カ部」は農業アクション大賞支援校に
2020.11.27

芥屋かぶを手にする、農業記録賞で優良賞受賞の松前さん
第48回毎日農業記録賞(毎日新聞社主催、県教委など後援、JA全中など協賛)の高校生部門で、糸島市の糸島農業高3年の松前開斗さん(18)の「私と伝統野菜の物語~芥屋かぶ~」が優良賞を受賞した。芥屋地域の伝統野菜「芥屋かぶ」を普及し、守り継ぐプロジェクトを進める中での思いをつづったものだ。
松前さんは、同プロジェクト「芥屋カ部」メンバー14人のリーダーとして、「芥屋かぶ」を継承してきた芥屋地域の人や地元小学生、これから芥屋かぶを食材として使っていこうとする企業、飲食店などと交流し、①芥屋かぶを旬の野菜として美味しく食べてもらう②交流を通じ芥屋かぶ継承の輪を作り上げる③糸島地域名物といて知ってもらう―を目標として、栽培で苦労したことや食べ方の工夫など魅力発信に取り組んだ体験を記録した。
在来種である芥屋かぶは、農家が自家用に栽培し種を取る「自家採種」の形で約300年もの間芥屋地区で守り継がれてきた。松前さんら「芥屋カ部」のメンバー14人は、芥屋に移り住み、芥屋かぶの継承に15年ほど取り組む東紀子さんの指導を受けながら、自校の畑で育てたり、引津小の2年生に育て方や収穫、採種の仕方などを指導したりしてきた。
芥屋地域でしか育たないと聞いてはいたが、自校の畑で育てると発芽率が低く、小さいカブしかできず、芥屋地域の引津小との交流で同地のカブの方が生育に優れ、芥屋地域がよく育つと分かった。9月の台風でマルチがはがれ、種が飛び3回まき直すことになり、農業は自然との戦いと知った。
小学生との交流で初め緊張していた生徒たちは東さんから「子どもと同じ目線に立って、芥屋かぶ独自の素晴らしさを話して興味を持ってもらうように」とアドバイスを受けた。芥屋かぶの種まき交流会では、地元の明太子製造販売「やますえ」のバックアップを受け、多くの企業の参加を得て「魅力を発信できそうだ」と手応えを感じたという。
さらに、「芥屋カ部」は、高校生の食や農に関する取り組みを支援する「全国高校生農業アクション大賞」(毎日新聞社、JA全中主催)の3カ年の支援対象15グループの一つに選ばれ、同部は活動に弾みが付いたと喜んでいる。