糸島新聞
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校区挙げての定住促進が奏効 西区今津校区 市・NPO・自治協の空き家対策や規制緩和利用

2021.01.15

松原に沿って住宅が立ち並ぶ長浜地区でバドミントンをして遊ぶ親子ら

 福岡市西区今津校区で取り組んでいる、子育て世代の定住促進を図りながら魅力あるまちづくりを目指す活動が早くも効果を上げている。「子育て世代に移住してもらい今津の子どもを増やしたい」と住民が結束した成果といえ、ポイントは市街化調整区域においても一定の要件を満たせば誰でも建築等が可能となる区域指定型制度を活用したことに加え、空き家対策を積極的に進めた校区自治協議会とNPO、福岡市との三者共働体制だったといえる。

 同校区では20年ごろ前から人口減少が進み、2014年6月には2999人と、初めて3千人を割り込み、同時期の今津小児童数も110人にまで減った。さらに16年6月には人口は2885人、児童数102人と減少していた。だが昨年9月時点の人口は3千人、児童数は161人と増加、子育て世代の呼び込みに成功していることが分かる。

 人口減少と少子化に歯止めを掛けようとした住民は14年にまちづくりフォーラムを開き、自治協に5つの部会①自然歴史②イベント③教育子育て④定住⑤情報発信―を作った。今津運動公園でふれあい軽トラ市を開いたり、住民や高校生らが一緒に元寇防塁や松原清掃のボランティア活動をしたり、リーフレットで自然、地域のつながり、今津人形芝居、九大との交流による環境学習など、今津の良さをアピールした。

 定住部会は、校区自治協と市、NPO法人「わが家の119番」(永田和富理事長)が連携し、空き家活用と貸家創出による定住化促進事業を行った。点在する空き家を調査し利用可能か評価、所有者に貸家へ転換する交渉を行い、若者世帯を移住者ターゲットに住宅供給の仕組みを創出した。

 土地利用では14年6月の大原町内長浜地区(約4・9㌶)を始めとし,17年から20年にかけて浜崎、緑町、大原、岡・本町の既存集落の大半において、区域指定型制度を活用。空き家、空き地の有効活用が図られることになった。

 成果として、住宅新築では、80軒が建ち、空き家総数70軒のうち33軒が、貸家(12軒)、および売却・新築(21軒)となった。現在建設中、開発計画申請は約20件。

 古藤英俊自治協会長(73)は「2017年を境に人口が増加に転じ、家も立ち並び一応の目標は達成した。今後もNPOと共働して今津のまちづくりを進めていきたい」。定住化促進事業の主体となった「わが家の119番」の永田理事長は、今でも移住希望者は40件以上あり6割以上が子育て世帯という。「空き家、空き地の物件化を強化したい。また、共働事業のノウハウや成果を北崎校区など他地区への取り組みにもつなげたい」とする。 

 5年前に移り住んだ2歳と8歳(今津小3年)の男児の父、井口由希人さん(41)は「今津運動公園はすぐそばで、海でマリンスポーツも満喫できる。一番の魅力は同世代の子どもがたくさんいること」と、今も次々に新しい家々が建っている周囲を見渡しながら、今津の生活に満足していた。

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