食料安全保障強化 総代会が特別宣言 ―糸島農協―

 糸島農協の第61期通常総代会が6月27日、糸島市の同農協本店で開かれた。農業生産資材価格が高止まりする一方、国内農畜産物への価格転嫁が進まず、生産現場が危機的な状況になっていることを受け、JAグループとして政府・与党に対し、生産資材高騰対策など食料安全保障の強化に向けた食料・農業・農村基本政策の確立を求める特別宣言を採択した

糸島農協本店で開かれた通常総代会


 特別宣言によると、世界的な気候変動による食料生産の不安定化や、ロシアのウクライナ侵攻に起因したさまざまな影響で、穀物や肥料、飼料原料などを過度に輸入に依存しているわが国の食料安定供給リスクが顕在化。これらが引き起こす深刻な事態を受け止め、山﨑重俊組合長「生産基盤の弱体化につながっており、危機的な状況と思っている」とあいさつ。「国と県、市には、支援をいただくことが必要不可欠で、これからも尽力をお願いします」と述べた。


 総代会では9議案を提出。2022年度の事業報告では、農畜産物全体の販売品取扱高が100億円を上回り約103億7780万円の実績が報告された。また、JA糸島自己改革実践プランでは、持続可能なJA経営基盤の確立・強化を盛り込んだ。この中で、信用事業は24年度末までに、3総合支店の機能を集約、強化し、6金融店舗については軽装備な効率化店舗にし、店舗の機能別再編に取り組んでいくとしている。議案はすべて可決された。


 また、来賓として出席した月形祐二市長は、あいさつの中で、本年度から2カ年かけて策定する「地域計画」について協力を依頼。今後10年の糸島農業の設計図となる計画で「糸島の農業が魅力ある産業として発展できる計画をつくり上げていきたい。たくさんの人に声を掛けて地域の未来を描きたい」と述べた。

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