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■お披露目展示を終え国宝が里帰り
国宝に内定している平原王墓の出土品が、東京国立博物館でのお披露目展示を終え5月17日、前原市井原の伊都国歴史博物館に帰ってきた。18日から常設展示されている。

平原遺跡(同市有田)の1号墓は、3世紀中ごろの中国の史書「魏志倭人伝」に記された弥生時代のクニ「伊都国」の王墓と考えられており、国内最大の銅鏡「内行花文鏡」(直径46・5センチ)5枚などが出土。

5枚のうちの10号鏡と12号鏡、14号鏡の3枚やガラス勾玉3点、メノウ管玉12点など計23点が文化庁の文化審議会で審査され、国宝指定の答申を受けて国の重要文化財から国宝への昇格が内定。官報告示を経て、正式に国宝となる。

東京・上野の東京国立博物館で4月25日から5月7日まで、同じく国宝に内定した「琉球国王尚家関係資料」などとともにお披露目展示されていた。

15日に陸路で東京国立博物館を出発し、途中京都国立博物館に立ち寄り、16日は九州国立博物館で1泊。17日午前に伊都国歴史博物館に到着した。

搬出に付き添った文化庁文化財保護部美術学芸課の原田昌幸文化財調査官は、1000キロを超える長旅に「異常なく無事に返却することが出来ました。官報告示は6月初旬になると思います」と話していた。

■正式に「国宝」に 国宝の里づくりキャッチフレーズも決定
国内最大の銅鏡「内行花文鏡」(直径46・5a)など、前原市有田の平原遺跡から見つかった「平原方形周溝墓出土品」の国宝指定が6月9日、官報に告示された。前原市では国宝を目玉に観光客を呼び込もうと、「国宝の里」のPRに力が入る。

平原遺跡の1号墓はその豪華な副葬品から、3世紀の中国の史書「魏志倭人伝」に登場する「伊都国」の弥生時代終末(紀元200年)ごろの王墓とされている。今回国宝に指定されたのは、出土した40枚の銅鏡や瑪瑙(めのう)管玉、鉄素環頭大刀などの遺物のほか、土器やガラス小玉、鉄鏃(ぞく)などすべて。

正式に国宝に指定されたことを記念して前原市は同日、パンフレット発行などの祝賀事業や24日に祝賀式典を行うことなどを説明、併せて募集していた国宝の里づくりのキャッチフレーズが「のぞいてごらん伊都国ロマン 日本一の大鏡の里まえばる=vに決定したと発表した。

キャッチフレーズには、北海道から沖縄県まで、63人から計225作品の応募があった。選考の結果、福津市の主婦渡辺信子さん(43)の「のぞいてごらん 伊都国ロマン」と、同市の市職員井土敏幸さん(50)の「日本一の大鏡の里まえばる=vを組み合わせて使うことに決めた。「国内最大の内行花文鏡をPRできる」ことなどが評価された。

祝賀事業は▽市庁舎玄関に内行花文鏡のレプリカ展示▽職員の名札に「祝国宝指定」の文字を入れる▽市内の公共施設などにポスター・チラシを張る▽平原遺跡出土の銅鏡を紹介するパンフレットの発行―など、お祝いムードを盛り上げ、24日に伊都国歴史博物館(同市井原)で祝賀式典を開く。

10月には国宝指定記念企画展「大鏡が映した世界(仮称)」を開催し、奈良県や九州各地の銅鏡を展示するほか、10月9日には俳優の苅谷俊介氏による講演会など、歴史シンポジウムも開く。

また同博物館と九州国立博物館(太宰府市)、吉野ケ里遺跡(佐賀県)との連携を強化するトライアングル構想や観光客を呼び込むためのPR活動を進めるほか、国宝の里づくり「なんでも前原」推進事業に取り組み、情報発信部会や観光ルートを策定する観光水産部会、新たな特産品作りなどをする商工振興部会、農産物ブランド化を目指す農業振興部会の四部会を民間事業者と共同で、7月初めまでに立ち上げる。

松本嶺男前原市長は「国宝指定は千載一遇のチャンス。地域おこしに役立て、現在95万人の観光入り込み客を30%から50%増やしたい」と意気込んでいる。

■注目の潤地頭給遺跡報告書が完成
前原市教委はこのほど、同市潤の「潤地頭給遺跡」で行った発掘調査の成果をまとめ、報告書を完成させた。

潤地頭給遺跡は東風小の建設に伴い、2003年1月から約1年2カ月かけて発掘調査が行われ、九州初となる弥生時代の大規模な「玉づくり工房群」や、「準構造船」が発見され、新聞などで大きく取り上げられるなど全国的な注目を浴びた。

約4万平方bの敷地面積をTからWの調査区に分け、仮設道路敷部分のX区と合わせて2010年度までに調査報告書を発行する予定。出土した遺物の整理が終了した調査区から順次制作する計画で、今回の報告書「潤地頭給遺跡T」では、敷地南側に当たる第V区について詳細な分析を加えている。

第V区では、同区を東西に横断するように掘られた弥生時代中期前半から後半の大溝(全長約56b)が検出。報告書では「集落を区画する溝で、防衛の役割も担っていた可能性がある」などとしている。

碧玉(へきぎょく)製管玉や水晶製丸玉など、玉づくり関連の遺構と遺物は、弥生時代終末から古墳時代初頭にT、U、W区にまたがって作業域が展開し、V区に南限があるとしている。しかし遺跡全体の評価や性格については、今後発行を予定する他調査区の報告書に譲っている。

市教委では、大学など各地の調査研究機関に配布する報告書のほかに、300部を希望者に有料で頒布する。

報告書はA4版で、本文百56ページと図版46ページの計202ページ。1冊1800円で、前原市井原の伊都国歴史博物館窓口で販売している。問い合わせは前原市教委文化課(323)1111、または同博物館(322)7083。
 


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