まち角

先週、九州北部も梅雨入りした。6月も半ばになると雨が気になってくる。生活に欠かすことのできない雨だが、少なくても多すぎても困るものだ▼先日、多久川の自然環境を守る会の柴田貞良会長が「昭和53年の大渇水のときは大変だった」などと、ふだんからの節水対策の重要性を話されていた。その数日後、日刊紙の読者投稿欄に昭和28年6月の集中豪雨による被害体験が載っていた。ともに梅雨時期の話である▼昭和53年の大渇水のときは、農家では田植えがいつまでもできずに困っていたし、日々の暮らしでも生活用水が不足しただけでなく、飲食関係の店舗も営業時間を短縮していた。散水もできず庭木や街路樹も弱ったことなどを思い出す▼一方、昭和28年の大水害では、加布里から今津までが浸水してつながり、本紙では「糸島水道の再現か」と報じている。大水害では田植えを終えたばかりの水田が流失したり、土砂に埋まったりして大きな被害が出て、県内外の被害の少なかった地域からは「救援苗」が届けられた▼このほかにも糸島各地で幹線道路が寸断されたり、堤防が決壊した河川、山津波に襲われた住宅や農地など、住民総出で復旧に当たったという。大渇水は約40年前、大水害は64年前の出来事になる▼人間の力では避けられない自然現象だが、渇水や豪雨の被害を最小限にする整備は進んでいる。しかし、自然は想定外の力を見せつけることが多い。油断禁物、普段からの心構えも大切だ。


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