糸島新聞
創刊100周年

糸島新聞社
1917年(大正6年)創刊
福岡県糸島市前原東1-8-17
TEL:092-322-2220
FAX:092-324-5115
itoshin@blue.ocn.ne.jp

ニュース
News List

連載「九大伊都」完成 (上) 住む  地域住民と学生、〝思惑〟両立?

2018.09.13

活発な議論を交わす「前原学生のまちづくり委員会」=10日、糸島市内

■九大生1500人

 糸島市は、市内に住民票がある九州大の学生で、自転車かミニバイクを市内の店で買った人へ、1万円を上限に補助金を出す。九大生呼び込み策の一つ。2017年度までの5年間は40~70件台で推移したが、今年は9月上旬で既に83件に達した。

 糸島市地域振興課の職員が数字の伸び以外に注目するのは所在地。「これまで九大生は、JR周船寺駅寄りなどに住む傾向があった。肌感覚だが、今年は九大生の居住範囲が西に広がってきている気がする」。

 九大と連携協力協定を結んでいる市は九大から、毎年5月末時点で糸島市内を住所地とする学生数の連絡を受ける。今年は1492人で昨年より185人増。文系や農学系の移転は夏場から本格化。来年何人増えるか、同課は期待を寄せる。

■学生街への期待も

 伊都キャンパスに通う当の九大生は、居住地の選択肢として糸島市内をどう見ているのか。

 清水耕平さん(22)は、箱崎から伊都へ移った経済学部の4年生。重視したのは家賃を低く抑えること。授業と福岡市・天神でのアルバイトの両方に便利な場所として、九大学研都市駅と同市西区今宿周辺で探したがマッチせず。結局、平日朝昼食事付き、水道光熱費込みで家賃4万円の「九州大学仏教青年会寮」(28部屋)=糸島市泊=に住み始めた。

 山口県出身。大学生とまちとで一体感がある山口大周辺と比較し、「伊都キャンパス周辺は学生が求める施設が少なすぎる」とこぼす。箱崎時代は行きつけの居酒屋やパン屋に通い、顔なじみになった店の人との会話がよかったと振り返る。「志摩エリアに〝学生街〟ができたりしないかな」とつぶやいた

■なるか化学反応

 前原商店街まで目と鼻の先にある空き家に、九大生が9月末から住む。糸島の地域活性化に取り組む学生団体「iTop(アイトップ)」代表の松本崇人(たかと)さん(20)=21世紀プログラム3年。数人で住んで家賃をシェアするという。。

松本崇人さん

 前原を九大生の文化活動拠点の一つに、飲み会を開くまちの一つにする―との野望を抱く。

 「九大生が前原で買い物をし、地域の人と飲み交わす景色が普通になれば面白い」と話す。

 前原中央、前原西のエリアの活性化を九大生と一緒に進めたいと、「前原学生のまちづくり委員会」(会長・笠信暁=法林寺住職)が7月に発足。松本さんもメンバーに加わった。

 地域住民と九大生の思惑、願いはマッチするのか。すればどんな化学反応がまちに起きるのか。刺激的な試みが始まろうとしている。

                    ◇               ◇

 九州大は、六本松(福岡市中央区)、箱崎(同市東区)の各キャンパスから伊都キャンパス(同市西区元岡、糸島市)への「統合移転」を2005年から始め、9月末で完了。伊都キャンパスの態勢は完成する。糸島地域が影響を受けた「ひとの移動」「まちの変化」の断面を報告する。

ニュース一覧