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「10年後も愛郷者(あいきょうもん)いっぱいのまちに」 第1回 前市長・松本嶺男さん(75)

2020.04.21

 

「糸島の将来性はまだまだある」と話す松本嶺男さん

 今年1月1日に誕生から10年たった糸島市。糸島ブランドの農水産物は全国に知られ、観光地にとどまらず移住先としても人気の地方都市へと成長した。その底力は一体何だろうか-。同市企画部長としてまちづくりに携わり、3月末に退職したばかりの馬場貢(みつぎ)さん(60)を聞き手として迎え、糸島のキーマンたちに鋭く迫る。第1回目は、初代市長の松本嶺男さん(75)。

  ■30年前に〝予言〞

 ―糸島高出身の松本さんは、同窓会当番幹事の43歳のとき、同高の同窓会誌に、当時の前原、二丈、志摩の3町の将来を「一つの市になり、人口10万人のまちになる」と書き、今の糸島市を約30年前に〝予言〞しました。県庁では広域行政担当の企画振興部長も務め、旧前原市長―初代・糸島市長に就いて8年7カ月間、市政のかじ取りをされました。合併に関しては、どこに気を配られましたか。

 「まず、合併を一緒に進めてくれた両町長に感謝です。いろんな決まりごとを1市2町で同じにする『一元化』は難しくありまっせんが、糸島市が発展するようお互い協力してハートを一つにする『一体化』には心ば配りました。それと、旧1市2町の均衡ある発展をどうするか。志摩、二丈、前原の特長や役割をそれぞれが考え、強みを伸ばすことで、質的均衡を生かしたまちづくりができるっちゃないか、と考えとりました」

  ■成功は想定以上

 ―糸島の合併は、糸島ブランドが象徴するように「成功であった」と市内外から認められてます。ここまでの成功を想定してありましたか。

 「いや、想定以上です。これだけテレビや雑誌に取り上げられ、関東方面でも糸島の名前が売れてきたのは、積極的なシティセールスの成果。市役所と農協、漁協をはじめ市民のみなさんの努力のおかげだと思います」

 

 「ただ、確立したブランドをどう維持していくか、今からが踏ん張りどころかと。人口の社会増につながった宅地造成はもう頭打ちになりそうだし、待機児童数が増えて子育て環境は大丈夫かなど、少し心配な面もあります」

  ■誇るべき高組織率

  ―まちづくりにおいて地域間競争がある中、糸島が他市と比べて誇れるものは何だと思いますか。

 「市役所が市民に提供する二大ミッションは、『安心安全の確保』と『市民所得を増やす(稼ぐ)お手伝い』です。前者の危機管理の話でいくと、私のとき(市長時代)は自治会(行政区)の組織率が95%ぐらいあったかな。糸島が朝倉や熊本のような自然災害にいつ遭ってもおかしくありません。『自助』とともに『共助』が重要視される中、糸島に根付く『向こう三軒両隣』の精神は誇るべき財産ですよ」

 「県庁にいた頃は、自治体間で工場の取り合いだったけれど、今は人の取り合いです。福岡市を取り巻く宗像、福津、春日、大野城、筑紫野、太宰府などの各市に負けんごと、魅力をさらに磨いてほしいですね。その意味では、九州大学があることや糸島がフィニッシュ地点の福岡マラソンも大きな魅力でしょうね」

 ■恵まれすぎた環境

 ―これからの糸島の将来性や伸びしろを、どのように見てありますか。

 「しょうゆ醸造元の会社など、40代前後の後継者、若手農業者への世代交代がうまくいってるように見えます。頼もしかです」

 「自然環境や食だけでなく、交通の便でもいかに恵まれているか、市民にその自覚があまりないのでは。例えば道路で言うと糸島の人が重症で救急搬送される時、西九州道を使うと白十字病院(福岡市西区石丸)まで30分ほどです。恵まれすぎた環境にずっといるから気づかんとでしょう。それらを再確認し、みんなで守り育て、生かしていけばいい。糸島で暮らす皆さんが、地域を大好きになる『愛郷者(あいきょうもん)』になってほしいですね。10年後も愛郷者でいっぱいのまちであってほしいですね」

 ―最後に、新型コロナウイルスで行動自粛が強まる中、市民へのエールを。

 「それぞれの立場で『次の一手』を考えながら、今は国(政府)の意向に沿って自重してほしいです」

 【糸島のお気に入り】長糸公民館で食べた「そうめんちり」がおいしかった。喜八荘(二丈吉井の旅館)から眺めるサンセット、極楽展望台(二丈福井)から糸島半島や玄界灘を見渡す景色、逆に伊都菜彩の付近から紫がかった山紫水明の田園風景。

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