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「互いに助け合うまち、応援したい」 第2回 いとしま応援プラザ指定管理者「NPO法人いとひとねっと」代表 桑野陽子さん(57)

2020.04.24

「うちで作品を展示販売しているクラフト作家さんたちには、お客さんの声を伝えています」と話す桑野陽子さん

 ■先輩が親身に相談

―桑野さんは、糸島で芸術活動をするクラフト作家や起業したい人を支援し、糸島の作品や産品を販売する糸島市の施設「いとしま応援プラザ」の設立(2011年10月)当初から、指定管理者のNPO代表として関わってこられました。

「自治体では類がない施設なので、施設の目的をどう説明するかなど苦労しました。初めは、何でも応援してくれると思って来た観光客に詳しい観光案内をしたりしましたね。それが回りまわって、クラフト作家や糸島のファンを増やすことにつながっていきました。08年に3人の作家さんが仕掛けてスタートし、いまは大規模イベントに発展した『糸島クラフトフェス』の事務局に携わらせてもらったことが、今の応援プラザにつながっています」

―そもそも、なぜ糸島にはクラフト作家さんが多く集まると考えますか。

「作家さんたちは、根を下ろす活動拠点をどこにするか丁寧に調べます。心が豊かになるような美しい自然環境を持ち、作品づくりに適している場所の一つとして、糸島を見て回られる。その中で、先に活動している先輩作家らが親身に相談に乗ってあげることも大きいです。糸島に決める最大の理由は、福岡市という大きなマーケットが隣にあること。転勤で福岡市に来た人たちは、福岡ライフを満喫する流れで糸島にも来て、作家さんらの食器や雑貨を買い求めます」

 ■どれも上質レベル

―クラフトづくりと糸島は相性がいいのでしょうか。

「お客さんたちは『糸島の環境がこんなに素晴らしい作品を生むんだ』と思われるみたいです。うちで紹介した作家さんに会いに行ったお客さんが、『いい人やった〜』と喜んでファンになることも。ファンが増え作品が1個でも売れ、作家さんたちにもうかってもらうのが、うちの施設の一つの役割です」

―自然とクラフト、それに「食」もつながっている感じもありますね。

「はい。自然の美しさのレベル、丹精込めて作物を作る農家さんや漁師さんのレベル、食材を加工する人の情熱の強さ、1点もののクラフトを作る人の感性の高さ。どれもが上質なレベルだからつながるんでしょう。『とりあえずこんなもの作ってみよう』みたいな人は糸島でははじかれます。厳しい世界ですけど、『せっかく旗を揚げた糸島で成功せないかん』と皆さん頑張ってます」

―応援プラザは起業支援の相談もされてますね。

「すごい数ですよ(19年度は約300件)。施設内に起業家さんが共同利用できる貸し事務所もあります。駅から遠く不便なのに借りる人がいるのは、応援プラザがいろんなところとつながり、生の情報を持っている点が大きいかと。うちは相談に来られた方を手ぶらで帰しません。応援して誰かの『いいね!』につながるのがうれしくて」

■変わらないを残す

―「互いに加勢し合う」のは糸島の風土性かもしれませんね。これから、糸島にどうなってほしいですか。

「30年前に越して来てずっと思うのは、『糸島は変わらないでいてほしい』。山の稜線が見えて守られているような地形。山の裾野は春、黄色い花が咲き乱れ、子どもたちがはだしで走り回る。これを私の孫にもその次の世代にも残したい、という思いです。ただ、環境の変化が激しいいま、『変わらない』を保っていくには、相当なエネルギーが要るでしょう」

―最後に、新型コロナウイルスで厳しい状況の中、糸島の人たちにエールを。

「コロナで本当にきつい状況ではありますが、日はさんさんと照るし花は咲きます。そっちの方に気持ちを向け、乗り越えて行きましょう。糸島で育った野菜をおうちで食べると、元気出ますよ」

【糸島のお気に入り】仕事でへこんで帰る時、可也山に沈むものすごくきれいな夕日を見て、「あー、いかんいかん、こんなちっちゃいことで落ち込んでは」となります。あしたも頑張れる勇気をくれる夕日と、その日頑張るエネルギーをくれる朝日が、一番好きです。

聞き手・前糸島市企画部長、馬場貢さん

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