糸島新聞
創刊100周年

糸島新聞社
1917年(大正6年)創刊
福岡県糸島市前原東1-8-17
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まち角

2018.10.11

美しい人だ。宝島社の2016年正月の見開き新聞広告。19世紀のイギリスの画家ミレイの代表作「オフィーリア」がモチーフ。緑に囲まれた川の流れにあおむけに身を任せる美少女を、樹木希林さん(当時72)が〝再現〟。広告賞のグランプリを総なめにした▼樹木さんのがんとの闘いは、04年の乳がんに始まり、13年の全身がん宣言を経て、先月15日に終わった▼その間、ウクライナや福島・会津の山間部での上映会で、言葉を失う相手を静かに、あるいは強く抱きしめた。「あらゆる人間に対する深く豊かな愛情を持ち合わせていた」と、同行していた作家のドリアン助川氏は書いた▼糸島新聞社の壁には、力強い筆致の樹木さんのサインが掛かる。NHKドラマ「いとの森の家」は、糸島の海・山・里山、そして弊社で撮影され、樹木さんが糸島を訪れた折に頂いた。15年11月3日とある▼都会から糸島に来た10歳の少女加奈子が、惑いながら糸島の生活に徐々になじんでいく。森の家に暮らす樹木さん演じる「おハルさん」から、命の重みや死、生きていくことについて学んでいく▼冒頭の新聞広告のヘッドコピーは「死ぬときぐらい 好きにさせてよ」。この広告について、樹木さんは「死は悪いことではない。死は当たり前にやってくるもので、自分が生きたいように死んでいきたい。最後は、もろとも宇宙の塵(ちり)になりて。そんな気持ちでいるんです」とコメントした。おハルさんが、加奈ちゃんに話すように。

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