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竹とんぼ卒業プレゼントに 小学1年の昔遊びにも 篠原東の中尾さん
2021.02.19

前原中卒業生へのプレゼント用に製作中の工房の前で、竹とんぼを手に中尾さん
よく飛ぶ、自作の竹とんぼを近くの小学校や中学校の児童、生徒たちへプレゼントし続けている糸島市篠原東の中尾好克(よしかつ)さん(72)。孫が通う前原南小学校での昔遊び教室にボランティアとして参加したことがきっかけで8年前から、竹とんぼを1年生の子どもたちに渡し、飛ばし方を教えてきた。また、前原中学校の卒業生へもプレゼントを続け4年。中尾さんの竹とんぼを通して伝える、昔遊びと物作りの技術のバトンが子どもたちに受け継がれている。
前原南小では、毎年2月頃に1年生に竹とんぼ教室を行うのだが、今年はコロナ下で授業ができず、プレゼントだけでもと昨年10月から作り始めた竹とんぼ160本を1月末に同小の有田浩校長に手渡した。
一方、前原中学校の卒業生に渡す竹とんぼは220本。4年前から同中の技術科ボランティアとして全学年の技術授業をサポートする中尾さんは、物作りの技術を伝えようと、卒業記念に竹とんぼを制作して4年になる。
コロナ下で昨年11月末からボランティアは休止に。「生徒に会えないのは残念だが、渡すことで生徒に卒業の祝意を伝えたい」と2月中に前原中に届ける。
1本製作するのに30分。竹の切り出しから、乾燥、竹割りと工程を重ね、製作後は飛ばしてよく飛ぶことを確かめて完成だ。小中の児童、生徒に渡し続けた竹トンボはこれまでに約2500本。その数だけの児童、生徒と心を通わせてきたつもりだ。「地域の学校ですから、次代を担う子どもたちと接し、昔遊びや物作りの技術を伝えたいですね」。
竹とんぼが空に舞いあがる様子は、「高く舞い上がれ」と児童、生徒たちの未来を応援する中尾さんの温かい気持ちが込められているかのようだ。