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糸島の農業を陰で支える 糸農高の「根っこ部」

2022.01.1

糸農高「根っこ部」7人の部員たち

 ブロッコリーは県内生産量1位、キャベツは同2位と、糸島が誇る農産物。しかし、このようなアブラナ科の作物栽培には、根がこぶ状なって成育を妨げる「根こぶ病」にかかりやすいという問題があり、生産者にとって悩みの一つだ。

 糸島農業高校では、こんな「根こぶ病」をなくそうと9年前から「根こぶ病防除対策支援チーム・根っこ部」の生徒たちが取り組んでいる。同部の部長の東野零さん(18)らは昨年10月、福岡市で開催された「第8回全国農業女子フォーラム」(公益財団法人全国学校農場協会など主催)で、「根こぶ病」防除の取り組みを実践発表。生徒ならではの視点で、生産者に向けた技術開発での地域貢献の発表に温かい拍手が送られた。

 活躍する女性農業者の経験を伝え、学生らの就農意欲を喚起するための同フォーラムで、糸島の根こぶ病を防除するための対策で研究・実践を重ねた成果と、目標を「土壌より緊急指令! 資材で根こぶ病を抑えたまえ!」のテーマで発表した。

 根こぶ病は、これまでJA糸島、生産者、県普及指導センター、糸島市役所で組織する「糸島地区根こぶ病防除対策協議会」で、現状と対策を共有してきた。同部は4者と連携しながらボランティアによる発病診断や対策技術の研究を重ねてきたことを紹介。

 また、根こぶ病が発生した土壌に試験的に資材を混和し、病原菌増減の測定成果として、「牡蠣(かき)殻石灰で土壌pHを改善した土壌に竹炭と米麹(こうじ)を混和すると菌の密度が下がることを発見した」と成果を紹介。

 九大で昨年開催の「令和の糸島農業に夢を語る」(アグリコラボいとしま主催)での発表や、企業の賛同で土壌分析費用の支援を受けることができたと紹介した。

 今後の課題として、農薬に頼らない資材での根こぶ病対策として、購入しやすく地域循環型にもなる牡蠣(かき)殻石灰「シーライム」と竹炭、麹菌を利用した防除技術を確立し、「生産者に喜ばれる防除技術を開発する情熱」を合言葉に、先輩の意志を引き継ぎ次代の後輩につないでいく。

 「根っこ部」の研究も糸島農業を陰から支えているといえよう。

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