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平和への思い「受け取ったから」 8・6平和劇、糸島ゆかりの若者の特攻死

2019.08.8

特攻出撃直前の若者から思いを託されたキヨ子(手前)と、戦時下にタイムスリップし平和を誓う女子生徒・太田桜

劇の前に岡部平一さん、平太さん親子の解説をする橘京平さん(右=加茂川雅仁さん、左=田中耕さん)

 戦後日本のスポーツ復興をけん引した岡部平太氏=糸島市志摩新町出身=の一人息子で、鹿児島・鹿屋航空基地から特攻隊員として出撃、22歳で戦死した平一さんと、鹿屋で平一さんから託された思いを手紙にした瀬野(旧姓・島田)キヨ子さん(93)の物語劇「未来へ語り継ぐ言葉(ことのは)~散りゆく桜(はな)―君へたくす」が4日、同市の伊都文化会館大ホールであった。

 市民グループ「いとしまハローピースアクト」(江川佳世代表)による「いとしま8・6平和劇」の第8回。

 圧巻は、特攻出撃直前に吹っ切れた笑顔を見せる平一さんと出会った思い出の桜の木の前で、キヨ子さんが平一さんが残した言葉「後のことは頼みましたよ」を振り返る場面。「(平一さんたちは)平和な時代を命と引き換えに、私たちに託されたのです」と泣き崩れる。

 そこに、現代から戦時下にタイムスリップし、二人のやり取りを見聞きしていた生徒の一人が、大声で呼び掛ける。「キヨ子さんが託された平和への思い、私たちもちゃんと受け取ったから! 悲しい思いをする人が増えないように。世界がもう二度と戦争を起こさないように。今ある当たり前の幸せを胸に頑張るから。だから安心して! だから泣かないで!」

 550人の観客は惜しみない拍手を送った。

 舞台の原案を書いた元教員の岡崎英子さん(59)=唐津市=は、キヨ子さんの手紙の写しを読んだ後、キヨ子さん本人に会い平一さんの当時の様子などを聞いていた。終演後、「私の中に浮かんでいたキヨ子さんと平一さんの姿が、素晴らしい演出と子どもたちの演技で見事に表現されていた。キヨ子さんの思いは(観客に)しっかり伝えられたのでは」と目を潤ませた。

 「福岡市原爆被害者の会」の広報担当、石川晶子さん(74)=福岡市城南区=は「糸島の大事な遺産を掘り起こし、戦争は二度としないというメッセージを、若い人たちにも分かりやすく伝える内容だった」と絶賛。

 平一さんのいとこの岡部剛一さん(81)夫婦=同市志摩新町=や、キヨ子さんの娘さん=同市内在住=も会場に足を運んだ。剛一さんは「幼かった私は平一兄さんと話をした記憶は残っていないが、劇に感銘を受けた」と話した。

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