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伊都国の西の拠点跡か 深江城崎遺跡

2022.04.22

大量の土器が見つかった深江城崎遺跡

装飾性に富んだ大型器台

 糸島市文化課は、深江湾を望む弥生時代の拠点集落の一部である同市二丈の深江城崎(じょうさき)遺跡の前年度分の発掘調査を終了した。同遺跡からは、大きさが通常の2倍以上もある壺を載せるための器台や丹塗磨研(にぬりまけん)土器など、祭祀に使用したと思われる遺物が出土。同課は「伊都国の西の拠点集落ではないか」とみている。

 深江城崎遺跡は、二丈中から南に300㍍ほど離れた場所。調査は昨年8月から今年3月にかけて行われ、低砂丘上から弥生終末期(1800年前)の掘立柱建物群を確認。柱の根元には木製の礎板が敷かれ、柱が腐ったり、沈んだりするのを防ぐ構造となっていた。

 調査区の東側には谷があり、弥生中期後半(2000年前)から終末期にかけて廃棄されたほか、水辺の祭祀に使われたと考えられる土器が大量に積み重なっており、石包丁や石の重りである石錘(せきすい)、祭祀用に赤く塗られた丹塗磨研土器などが見つかった。

 中でも甕(かめ)や壺を載せる器台は、最大径19㌢、高さ23㌢と通常サイズの倍以上あるものが6個も出土。調査を担当した同課の江崎靖隆さんは「私も見たことがないほど珍しいもので、糸島で独自に発達した鋤先口縁壺を載せるための台と考えられる」とし、中には器台の首の部分に細長い穴状の窓を開けた装飾性の高いものもあり、祭祀に使用された可能性がある。

 さらに、平原王墓などでも使われていた辰砂(しんしゃ=水銀朱)という朱の原料をすりつぶすための石杵(縦10㌢、横5・5㌢、厚さ5㌢)も検出。

 近くの深江井牟田遺跡や二丈中敷地内から、環濠の一部とみられる溝や中国の出先機関である楽浪郡の土器が大量に出土していることと考え合わせ、江崎さんは「深江湾に面した伊都国の西の拠点集落が存在し、深江城崎遺跡はその周辺部分にあたる」とし、「伊都国の東の港である今宿五郎江遺跡と比較することで、西と東で貿易相手が異なっていたのかなど、伊都国の交易の構造や実態が明らかになるのではないか」と期待している。

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