二丈深江の祠にいたずら ご神体引きずり出される

0420深江湊町の祠糸島市二丈深江の湊町公民館そばの祠(ほこら)に安置されていた「ご神体」の石が、何者かによって引きずり出されているのを13日、近くの人が見つけた。長年にわたって祠を守ってきた地元の人たちは「昔は何かあるとみんながここに集まっていた。地域にとっては大切な心のよりどころ。いたずらにしても度が過ぎている」と憤っている。

祠は石製で、高さ約1・5㍍の石組みの上に2宇あり、向かって右側の祠の扉には、江戸後期の文政4(1821)年の文字が刻まれている。扉は常に開かれた状態だった。
13日午前8時20分ごろ、近くの田中一さん(66)が、供えていたサカキの水を替えようと祠に足を運び、異変に気付いた。
2宇の祠の中には、高さ約35㌢から55㌢まで計6個の石がご神体として祭られていたが、全て祠の外に引き出されていた。祠の前や階段、ご神体には、引きずった跡やすり傷が付いていた。祠に供えられていたさい銭は、盗まれていなかった。
田中さんによると、「右はえびすさま。もともとここは漁師町で、昭和初期のころはにぎやかなお祭りがあった。左は初午さまで毎年、初午のときに深江神社から宮司を呼び、神事を行っている」という。
ご神体を元通りに安置したいが、「祠の中にどのように並んでいたのかが、分からなくなってしまった」と田中さん。「戦時中に祠の前で撮った写真が私の家にあったが、祠の中までは写っていない。ほかに写真がないか、探しています」と頭を抱えた。
地元のお年寄りに聞くなどしながら16日にご神体を祠に戻し、しめ縄を新調するなど18日に神事を行った。
糸島署にも通報し、パトロールを強化するよう依頼。地域の人たちは「このようなことは、二度としてほしくない」といい、田中さんは「これを機に、祠を地域で長く守り継いでいけたら」と話していた。


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