まち角

桜のシーズンも終わりを迎えた。今年はちょうど満開のころ、週末や日曜日に天気のいい日が少なかったのは残念だった▼だが、どんな天候でも桜は美しい。風に吹かれて舞うピンクの花吹雪、雨にぬれた道路、川や湖面をピンクに染める花びらなども趣があっていい。桜好きの日本人は「花筵(はなむしろ)」や「花筏(はないかだ)」など、散った花にさえも言葉を付け、情景に合わせて愛(め)でる風流さがある▼桜が終わりに近づくと、ツツジをはじめ、多くの花たちが次は自分たちの出番とばかりに開花を待っている。自宅でも玄関横にある花壇で、義父が大切に育てていたボタンが、今週に入ってから美しい花を咲かせ始めている▼ボタンといえば先日、テレビで「ぼたもち」のことについて、春の彼岸前後には「牡丹餅(ぼたもち)」といい、一方ハギの花が咲く秋の彼岸ごろには「御萩(おはぎ)」という説があると話していた。知ってはいたが、同じ餅が季節によって名前を変えるというのも、日本人ならではの粋な感性なのだろう▼現代のように物が豊富でなかった昔は、家庭でいろんな餅やまんじゅうなどをおやつとして手作りしていた。子どものころ、母から「まんじゅうしば(サルトリイバラの葉)を採ってきなさい」とか、「ふつ(ヨモギ)を採ってきて」などと頼まれたものだ▼物や娯楽は少ない時代だったが、昔は自然の野山で遊び、手作りおやつを食べるなど、今とは一味違った楽しい時代でもあった。


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