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スター高橋が作家デビュー 「絶望」テーマに短編小説集出版

2019.01.17

「本を書いたらつき物 が落ちたような感じ」 と話す高橋さん

 1年前、糸島市議から市長選候補者となり、現職市長との一騎打ちで注目されたタレントの高橋徹郎氏(51)が昨年12月、初の小説短編集『誰もいない街』(書肆侃侃房)を出版、「あのスター高橋が作家」と話題になっている。落選後、表舞台に立つ機会は大幅に減ったが、「本で自信を取り戻せた」と語る高橋氏。創作過程や今後の活動を聞いた。

 ―フジテレビ系列のオムニバスドラマ「世にも奇妙な物語」の原作や脚本なども書いてきた脚本家。短編集を出版した今の心境は。

 「落選後、政治の話やタレント復帰の話もいただいたが納得がいかず、『選挙に落ちた高橋』として人に会うのが嫌だった。違う自分を見つけようとあがき、小説ができれば新しい自分としてスタートラインに立て走り出せる、と思った。今は『本を出した高橋』と見てもらえ、相手も安心してくれる。自分を取り戻せたかな」

 ―どんな作品か。

 「9編のエンタメ短編からなる。作品の中の次の一言を読んだ瞬間、主人公の価値観ががらりと崩れ去るような劇的なものにしようと。今回は『絶望』を横軸にして書いた」

 ―「絶望」を主軸に据えた訳は?

 「選挙で落ちた日の2~3時間で、僕の見える景色ががらりと変わり、急転直下を体験したことが大きい。落選したことが書くきっかけになった」

 ―表題作「誰もいない街」を最初に書いたと聞く。

 「書き上げたはいいが、本当に書けたか分からなかった。小説を大量に読む高3の長女に、友だちが書いた作品と言って読ませたら『面白かったよ』と返ってきた。ある程度のレベルはいったと手応えを感じた」

 ―作品「当たりくじ」は、駄菓子屋の空気感や小学生らしいドキドキ感の描写に引き込まれた。

 「あれは僕の子どもの頃の記憶を基に書いた。『過去から来た男』は僕の父親の50回忌の時に思ったことを下敷きにし、幽霊がどんな時に絶望するか考えて生まれた」

 ―これから作家としてはどう活動するか。

 「苦手と思い諦めていた小説が書けたことで、創作の楽しみを僕自身が知り、味わえた。短編集をあと2、3冊書いてみたい。長編にも取り掛かっている」

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 四六版、208㌻。税抜き1500円。積文館書店前原店など糸島市内の書店でも販売。

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