「放課後等デイサービス」利用増 3年前1カ所→今年度13カ所 糸島市、補正予算で増額

障害を抱えながら通学する糸島市の児童・生徒が、放課後や夏休みなどに日常的な生活能力向上のための訓練を受けたり社会と交流するのを支援する「放課後等デイサービス」(放デイ)の利用が、活発化している。市は、障害をハンディでなく「個性」と捉える見方が浸透し、早期訓練を望む保護者が増えてきたため、とみている。
◆自分だけのツリー
「○○君、飾り付け上手だね~」。
2日、同市潤の放デイ「あごらクラブ」。松ぼっくりをクリスマスツリーに見立て、シールなどで飾り付け半切りのペットボトルでカバーする自分だけの作品を完成させた。スタッフからほめられた児童は、照れと笑いが混じった表情を見せた。
この日、親子で楽しむ企画に参加したのは、知的障害や発達障害がある子どもたち5人とお母さんたち。この後、施設を訪れた力士たちと相撲を取り大喜びだった。
◆支援すり合わせ
放デイは児童福祉法に基づくサービスで、児童・生徒一人一人に支援計画が立てられる。2015年度に開設されたあごらクラブは、小学生対象のそら組と中高生のにじ組(各定員10人)があり、オープン以来ずっと定員いっぱいだ。
同クラブの児童発達支援管理責任者・入江晶美さんは、「コミュニケーションが苦手で、言葉で伝えられずイライラしているお子さんには『どうしたの?』と聞いて、できるだけ本人の口から言えるようにしている」と話す。学校、家庭、放デイで支援の中身がずれないよう、ケース会議で支援をすり合わせるという。
◆8カ月で5割増
同市福祉支援課によると、同市の放デイの新規開設は14年度1カ所、15年度2カ所、16年度は7カ所。今年度も3カ所がオープンし、計13カ所になった。
実利用者数は今月4日現在118人。今年3月末(79人)に比べ5割増だ。
利用料は国、県、市の補助があるため、利用者の負担は原則1割。
放デイの利用増を受け、市は市議会12月定例会に提出した一般会計補正予算案の中で、障害児通所給付費として5593万円の増額を求めている。
同市福祉支援課の山﨑一枝課長は、利用者の増加理由について、「(放デイの)事業所が増え看板などが目に入って関心を引きやすくなったことや、親の口コミなどで知られるようになったことがあるのでは」と指摘。「子どもが社会に出てからの生きづらさを少しでも小さくしたい、と保護者は願っているようだ」と話している。
◆手段身に付けて
重度の知的障害と自閉症を抱える次男(16)を放デイに通わせている母親は、「家族はこの子の動作などから意思が読めるけれど、周りはそうはいかない。高校卒業後、通所施設や作業所など集団の場に行くようになった時、意思表示できないと受け入れてもらえないかもしれない。ここで伝える手段を身に付けてほしい」と、支援サービスへの期待を示した。


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