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連載「福吉ジャズ」の軌跡 (上)  NY組も公民館で生演奏

2019.01.31

演奏する「アルティメイツ」。〝閉店企画〟の一つ=1月19日、初潮旅館(西川健一さん撮影)

 ■「終わらせたくない」

 ざっ、ぱーん…。

 海の中をイメージした浮遊感のある曲の演奏がフェイドアウトし、拍手が鳴る前に訪れた一瞬の静寂を、玄界灘から打ち寄せる波音が絶妙なタイミングで包み込んだ。

 1月19日夜、糸島市二丈鹿家の初潮旅館。ライブ企画グループ「福吉ジャズ」(井口賢治代表)が、昨年12月から4回シリーズで始めた〝閉店企画″第3弾があった。出演は名古屋の6人組インストルメンタルバンド「Ultimates(アルティメイツ)」。

 リーダーは、米ニューヨーク(NY)での活動経験もあるドラマー崎田治孝(34)。福吉ジャズの発足前を含めて糸島での演奏は5回目。いずれも井口と絡んだ。「イベントのプロでもないのに、本気で関わってくれる井口さんたちを尊敬する。福吉ジャズを終わらせたくない」。

 ■主催だけで33回

 2014年6月始動の福吉ジャズは、糸島の西端・福吉校区(人口4千人)を主体にジャズライブを展開。福吉、深江の校区公民館、市内の飲食店などを会場にしたライブは、主催で33回、支援や業務請負などを含めると43回に上る。

 出演者のレベルの高さを驚く人も多い。NYで活動中のミュージシャンだけでも大林武司(ピアノ)、権上康志(ベース)、森智大(ドラムス)、Ree‐A(辻利恵、ピアノ)など。糸島在住の実力派、波多江崇行(ギター)、浦ヒロノリ(サックス)、福岡在住なら小森陽子(ピアノ)、小野としたか(ベース)ほか。

出演者の総延べ人数は、2月ライブを入れて120人超という。

 ■お金の問題

 一流を呼べばギャラは高くつく。かといってチケットを4千円にすれば売れずに集客で行き詰まる。お金の問題は常に井口を悩ませ、「黒字になることはほぼなかった」と漏らす。

ライブ中、ステージの様子をのぞく井口さん

 また、ライブハウスと違い、公民館では音響や照明を一からセットし、会場づくりも自前。加勢してくれるスタッフは手弁当。
毎回苦労に直面するのに、井口はライブ企画をためらわない。そこにあるのは、「桁外れた技術を持つ人と接することで、子どもたちが何かに目覚めて大きな夢を持つかも。小さなまちでも出会いをつくりたい」との思いだ。(敬称略)

   ◇   ◇

 「福吉ジャズ」の活動が、2月16日のライブを最後に終わる。4年8カ月間の軌跡の一端を振り返る。

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