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「地魚BANK」展開へ 第1回地魚博覧会・詳報

2019.03.7

地魚博覧会の仕掛け人3人が座談。左から馬淵さん、江崎さん、有田さん

船越のコウイカ、姫島のヒラメなど刺し身5種などを含む「地魚御膳」

 おいしい魚をずっと食べられる社会や自然環境を維持するため、地魚の価値を見直すイベント「第1回地魚博覧会」が2月24日、糸島市の古民家レストラン「古材の森」で開催。地魚にこだわりをもつ登壇者計6人が熱く語り合った。参加者35人は1、2部の間に供された地魚尽くしの食事を堪能し、地元の海の幸を再認識した。

 《1部…トーク》

 登壇した糸島漁協船越支所所属の漁師藤野一豊さんは、天然マダイの一双吾智網漁やコウイカ漁の具体的なやり方を説明。「タイは尾が大きいと肥えて脂が乗っている」と目利きのポイントも開陳。

 県水産海洋技術センター職員の江崎恭志さんは、糸島市の漁業生産量が筑前海区(北九州~糸島)全体の約15%の2921㌧(2016年)で、糸島では「四季折々、前浜にやってくる魚をいろいろな道具で取っている」と解説。

 「昔、魚は全部市場に出すしかなかったが、今は直売所に出して魚の価値を自分たちでつけられる」と語った同漁協船越支所の鹿毛俊作支所長は、加工品作りに力を入れていると話した。

 天然マダイのあらを使った濃縮だしを博多女子高とコラボし商品化した「だしスープっ鯛(たい)」。水産加工品の製造販売業「やますえ」の馬場孝志社長は、昨年6月の販売から約1万本売れたヒット商品だと胸を張り、「付加価値をつけ、皆さんに魚のおいしさを知ってもらいたい」と熱を込めた。

 《2部…会員募集》

 そもそも「地魚」とは何か、から始まった2部。古材の森ディレクターで歴史研究家の有田和樹さんが、福岡藩主が領内を見回る巡見で糸島に足を運んだ際、タイ網漁を見せタイを献上したとの古文書を引き合いに出し、「その土地で一番いいものを食べてもらいたいということでは」と話した。

 同博覧会主催者で飲食店「志摩の海鮮丼屋」などを展開する「いとしのいとしま」社長の馬淵崇さんは、自社で始めた「地魚BANK」事業について、「一つは(漁師のために)魚価を上げていき、もう一つはこの博覧会のように(消費者に)地魚を知ってもらう。それにより地魚の価値を高める活動」と説明。船越のいりこ漁など「消えていく漁が今後も出て、食べられなく地魚が増えるのではないか」と懸念した。

 その上で馬淵さんは、地魚の価値を認める人に会員を募り、会員制の地魚すしサービス、体験イベント、糸島地魚ツーリズム協議会設立などを視野に今後展開する、と宣言した。

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