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「糸島高校前駅」16日開業 糸島の活気、利便性アップ

2019.03.14

北口側から見た糸島高校前駅。駅舎の白さが際立つ

 JR九州の筑肥線に、糸島市域で10番目となる新駅「糸島高校前」が16日、開業する。市内での駅開業は1995年の「美咲が丘」以来23年ぶり。筑前前原―波多江間(約2・6㌔)のほぼ中間に位置し、交通利便性が上がる浦志地区や周辺には待望の駅だ。駅名に「糸島」が付くのは初めて。新駅南側は移住・定住の加速が、駅北側は商業地としての発展が期待され、糸島市の活気を後押しする。

生徒の4人に1人利用へ 糸島高・松尾隆一校長

「これまで以上に目いっぱい勉強・部活に励んでほしい」と話す松尾隆一校長

 「糸島高校前駅」から同高まで徒歩5分。筑前前原駅で下車し徒歩通学や自転車で通う生徒が多い同校にとって、今回の開業は、自校生徒の利便性向上と、知名度アップによる広範なエリアからの中学生の受験、という〝両得〟が期待できる。
同高が1、2年生を対象に行ったアンケートによると、新駅開業後、電車を使うと答えた割合は、現在のJR利用組の2倍に当たる24%。このうち自転車からの切り替えが半分。

 松尾隆一校長は駅名に校名が入ることについて「とてもうれしく、晴れがましく思う。一方で、地域や同窓会からの期待に応え、糸島高校を一層発展させなければ、という責任も感じる」と気を引き締めた。「進学実績はもちろん、生徒には校訓の『自主積極』と、何事にも挑戦できる志を持った人に成長してもらいたい」と語った。さらに、「糸高があるから住みやすいまちになっている、と言われるくらい、地域の理想的な高校生像を体現してもらいたい」と続けた。

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「浮いた時間は勉強、趣味に」

「新駅周辺にスイーツのお店ができたらうれしい」と声をそろえる福田咲愛さん(左)と大嶋夕葵さん

 糸島高1年の福田咲愛(さくら)さんはこの1年間、筑前前原駅で降りて自転車で10分、大嶋夕葵(ゆうき)さんは徒歩20分かけて通学してきた。もちろん新駅利用組。「開業が待ち遠しいです」と声を弾ませた。

 2人は朝の課外授業のため、午前7時過ぎには電車の中。「新駅からなら電車を1本遅らせても大丈夫。10分寝坊できるのもうれしい。気持ちの面でゆとりができる」。

 ともに生徒会執行部。他に福田さんは放送部、大嶋さんは文芸部と情報科学部に所属。「(新駅までの)帰りの道は明るく短いので安心。時間を気にせず勉強や部活に打ち込める」と意気揚々。「浮いた時間は勉強に」(福田さん)。「趣味の読書と絵を描く時間を増やしたい」(大嶋さん)と、笑顔で話した。

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店内外を大改装、「時短商品」充実 サニー前原店

 新駅北口から目の前のスーパー、「サニー前原店」は、店内外を大規模改装し、駅開業への対応を急ピッチで進めている。

 出入り口はこれまで北向きに一つだったが、新駅の利用客が出入りしやすいよう東側にも新設。外観は、サニーらしいグリーンのイメージカラーにこだわらず、白とグレーを基調にした落ち着いたデザインに一新。床もシックなセラミックタイルに張り替えた。

 岩永賢一郎店長は「車で来られるお客さまが多い『郊外型』から、通勤通学のお客さまにも来てもらえる『駅前立地型』の要素も加わり、家事の時間を短縮できる『時短商品』のニーズが見込まれる。総菜・弁当・パンなどの売り場を1割前後広げて充実させ、カット野菜なども取りそろえたい」16日から人の流れが変わることへの期待を語った。

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駅前一の人気店に 居酒屋「うらし」

「手作りのつくねと豚足を食べにきて」と陣内成樹店長(左)

 「お店を通して、この地域に貢献できたら」。こう話すのは居酒屋「うらし」(糸島市浦志)の陣内成樹(じんのうちなりき)店長(35)。2013年のフードバトル「糸島魂」串部門で2位に輝いた名店だ。

 07年の開業以来、糸島産食材にこだわる料理を提供し、季節ごとのメニューも充実。価格の手頃感もあり、地元客を中心ににぎわっている。

 筑前前原、波多江の両駅まで徒歩20分で、駅を利用するお客さんはほぼゼロ。それが一転、新駅から北へ徒歩3分。絶好の立地条件に。
仕事帰りの会社員や観光客、マンション住まいの家族らの利用が増えるのでは、と陣内店長はみている。「観光客など新規のお客さまにも、糸島食材のおいしさ、糸島の魅力が伝わる店にして、誰からも愛される駅前一番の人気店を目指す」と意気込んだ。

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《新駅の概要》~1日乗降客4800人見込み

 筑前前原―波多江間に戦前、国鉄「浦志駅」があった周辺地域などが長年、新駅設置を切望していた。2011年、糸島高の同窓会や地元の区長会、同市などでつくる「筑肥線新駅設置促進期成会」が立ち上がり、設置署名・寄付活動を展開。13年末にはJR九州と同市、同期成会で覚書を結び設置が決定。17年度着工の工事が間もなく完了する。
糸島高校前駅は、駅の南北をつなぎ市が管理する自由通路と、JR九州の施設である駅舎が一体になった橋上(きょうじょう)駅。改札は2階。長さ128㍍のホームは、上下線を挟む形で向き合う。エレベーターは自由通路、駅舎に各2基ある。

 工事費は自由通路約4億円、駅舎などは約9億円(寄付金が4割弱)。
駅舎は白を基調にして自然景観と調和しやすいシンプルなデザイン。印象的な丸窓の並びは絵の具のパレットに見立て、まちを今後色とりどりに染めていくイメージを表している。

 JR九州によると、新駅の開業時の乗車人員は1日2300人と見込む。市は、伊都の杜への移住が落ち着く将来、新駅の1日の乗降客数(乗車人員の約2倍)は4800人と推計。そのうち、前原・波多江両駅の利用者から新駅利用に切り替えるのは2700人とみている。

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