年に一度の岩戸開き神事

志摩の櫻井神社

 国の重要文化財に指定される糸島市志摩の櫻井神社(外山穰也宮司)で2日、岩戸開き神事が行われた。普段は閉ざされている岩戸宮の扉が開けられ、年に一度の特別参拝が催され、早朝から多くの人が訪れた。


 櫻井神社創建の基となった岩戸は、江戸時代初期の慶長15(1610)年旧暦6月に、大豪雨で表出した石室。現在は毎年7月2日を例大祭日とし、早朝4時から岩戸開き神事を行っている

石室の中で行われた岩戸開き神事(ササイカメラ提供)


 神事では、岩戸宮前に敷かれた菰(こも)に氏子総代らが座り参列。神職が太鼓や鈴の音とともに「大祓(おおはらえ)の詞(ことば)」を奏上した。「消灯」のかけ声で照明が消され、辺りが暗闇に包まれる中、岩戸宮の扉が開かれた。


 午前4時半からの特別参拝に合わせて、約100人が行列を作った。昨年まではコロナ禍のため、岩戸宮手前での参拝のみだったが、今年は4年ぶりに石室の中まで入って参拝することができた。


 同神社の本殿と拝殿、楼門は秋ごろの官報告示で重要文化財の指定が決定する。糸島市内から家族と参拝に訪れた60代の男性は「社殿の価値の高さが認められたことで興味があり、初めて特別参拝に来た。神秘的な雰囲気に息をのんだ」と話していた。

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