《糸島新聞連載コラム まち角》

まち角アイキャッチ

 開幕はまだ先とはいえ、プロ野球の春季キャンプが始まると、選手たちのシーズン中の活躍を願い、気分が高まる。ましてや、今年は国・地域別対抗戦、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)が3月にある。日本代表で気になるのが、やはり米大リーグの大谷翔平選手(エンゼルス)▼投打の「二刀流」とともに、見てみたいのがチームメートをはじめ、他チームの選手、多くのファンを魅了する球場での態度だ。大谷選手の人間性を表すシーンとして、よく報じられるのが球場でのごみ拾い。グラウンドでごみを目にすると、一心に拾い上げ、ユニフォームパンツのポケットに何気なく入れる▼ごみ拾いはベンチの中でも行う。「階段で、ごみを踏んで転んだりする人もいる。つまらないけがをしてほしくない」という優しい気配り。大リーグでは、ベンチの床は、選手が口の中で砕いたヒマワリの種の殻が吐き捨てられていたり、紙コップが転がったりしているが、エンゼルスのベンチは大谷選手の影響で、ごみを見かけなくなったという▼ごみ拾いについて、大谷選手は高校1年のときに作成した目標達成シートで取り上げている。「8球団からのドラフト1位指名」を中心目標とした大谷選手。達成のために「体づくり」などとともに「運」を必要要素の一つとして記している▼そして運を呼び込むために実践しているのがごみ拾いだ。ほかにも、シートには「応援される人間になる」とも。折れたバットを拾って打者に手渡したり、審判に敬意を払ってあいさつをしたり…。「野球の枠を超えたスーパースター」。こんな声にもうなずける。

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