コラム まち角

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 ロシアがウクライナに侵攻して24日で1年。収束の兆しはいまだ見えず、ロシアによる無差別攻撃は激しさを増す。ウクライナ東部では先月、集合住宅がミサイル攻撃を受け、子どもを含む多くの命が奪われる惨劇が起きた。こうした中、ドイツ、米国、英国は主力戦車をウクライナに供与することを表明した▼攻撃力が高い戦車提供により、ウクライナでの戦争は、北大西洋条約機構(NATO)対ロシアという構図が鮮明になった。新たな段階に入ったウクライナへの軍事支援は、ロシアが占領している地域を奪還する転機になるとの見方がある▼「平和とは、勝ち取るものだ」。撤退の意思がないロシアのプーチン大統領に対し、多くの国々がこぶしを突き上げ、鬨(とき)の声を上げる。停戦、さらには撤退への道筋がつくまで、ウクライナの軍事力は増強されていくのだろう。ただ、それが引き起こす戦闘の激化を思うと、心が痛む▼春になると、ロシアは大規模攻撃を仕掛けるとみられる。ウクライナに投入された戦車が前線に出ての地上戦。平和であったなら死ぬことはない両国の無数の命が失われていく。そして、ロシアによる核の威嚇…▼決して戦いを泥沼化させてはならない。人々が救われる道はないのか。答えのないまま、ジョン・レノンの「イマジン」を繰り返し聞いた。国家や所有欲などによって起きる対立や憎悪がない世界を願い求めた歌。「想像してごらん 国境なんてないと」「殺したり死んだりする理由はない」。今できるのは、ただ、この歌を口ずさむこと。そして、戦地の人々の心に寄り添うこと。

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