糸島農業高の生徒たちが11日、糸島市深江の古民家を再生させたシェアスタジオ「うみかえる」の庭先で、ヤギやウサギ、犬と触れ合えるミニ動物園を開いた。子どもたちや親子連れが訪れ、動物たちに餌を与えたり、ボールの的当て遊びをしたりしながら、高校生たちと交流を楽しんだ。
高校生主体で、子どもたちが安心して過ごせる「居場所」づくりをしてもらおうと、市民グループ「いとっ子ウェーブ」がサポートしながら企画。この日は、糸島農業高の農業クラブ役員と、小動物を飼育している同好会「あにとぴあ」の計10人の生徒がミニ動物園を設けて運営。訪れる子どもたちに、用意していたブロッコリーの葉や、スライスしたニンジンなどを手渡し、子どもたちと一緒になってヤギの餌やりなどをした。
家族で訪れた小学2年生の石井福さん(8)は「手でつまんで差し出した餌を、おいしそうに食べてくれてうれしかった」と、優しい目でヤギを見つめた。
こうした高校生による活動は2019年11月から実施。本年度は昨年7月から12月にかけて「うみかえる」近くの農園で、糸島農業高生の指導でジャガイモやダイコンの栽培を行い、古民家の会場では糸島高の生徒が子どもたちとビーズ細工づくりなどの遊び場を提供。古民家は深江海岸そばにあり、夏場は砂浜で海水浴を楽しむ子どもたちもいた。
糸島農業高2年生で、農業クラブ会長の梁瀬輪さんは「地域のいろんな人たちとつながる場になっており、何よりも農業高でどんな勉強をしているのか、知ってもらえる機会になっている」と話し、やりがいを感じているという。
いとっ子ウェーブ代表の中尾雅幸さんは「高校生は自分たちでアイデアを出して実践し、地域に貢献している。イベントを成し遂げることで、自信を持ってもらえていると思う」と話していた。