博物館のバーチャル見学も 糸島高校で公開授業

 糸島高校で2月21日、ICT(情報通信技術)を使い、遠隔・オンライン授業を活用した新しい教育を目指す、高等学校改革推進事業(創造的教育方法実践プログラム)の公開授業があった。11月以来、2回目の実践発表。

 1年3組歴史総合の授業は、小郡市の九州歴史資料館とオンラインでつないで行われた。「皆さん、文化財に興味ありますか?」。同博物館教育普及担当の田中奨俊さん、中野宏人さんの明るい声が教室に届く。2人は、刀剣や絵画など同館が所蔵する文化財を画面に映して、ライブ解説。生徒は、教室前方の大画面を見ながら説明を聞いた。

 常設展示のバーチャル体験見学では、タブレットの画面に触れると、360度画像が回転。生徒は自分のタブレットを使って、興味ある文化財をじっくり観覧した。

 その後「曼荼羅(まんだら)はどこで発見されたんですか」「昔の人はどうやって絵の具を見つけたんですか」など、活発に質疑応答が交わされた。

 授業を受けた岡本繋(つなぐ)さんは「昔の絵画が好きなので、美術に関する話が聞けて良かった」、牧鶴恭楓(きょうか)さんは「博物館の方の話がおもしろくて、もっと聞きたかった」と感想を話した。

 授業を担当した地歴公民科の永井真佐美教諭は「バーチャルでも文化財に興味を持てば、歴史への関心につながる。双方向の授業を通して、生徒が学びに向かう力を引き出せたのでは」と話していた。

 同校での創造的教育方法実践プログラムは、原則3年の指定期間。来年度は、韓国ソジョン高校とのオンライン交流や、「看護・医療系クラス」でのバーチャル医療実習などを予定している。荒木礼子校長は「2、3年目もさらにオンラインでの学びを進めていく。これからも生徒の学習意欲を伸ばして、将来の可能性を広げていきたい」と話した。

自分のタブレットを使い、興味がある文化財をバーチャル体験見学する生徒たち
自分のタブレットを使い、興味がある文化財をバーチャル体験見学する生徒たち
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

1917(大正6)年の創刊以来、郷土の皆様とともに歩み続ける地域に密着したニュースを発信しています。

目次