九州盲導犬協会40周年記念

ユーザー、共にハープ演奏     —記念式典—

 盲導犬を希望する視覚障がい者に無償貸与できるよう活動している九州盲導犬協会の創立40周年式典が24日、糸島市東の同協会総合訓練センターであった。支援団体や盲導犬ユーザー、ボランティアなど約280人が参加。これからも一頭でも多くの盲導犬が、必要としている人たちのパートナーとなるよう力を合わせていくことを誓った。

 記念式典では、同協会の中村博文理事長が最初にあいさつ。1983年9月、任意団体から改組して財団法人福岡盲導犬協会として発足し、その後、九州唯一の国家公安委員会指定の盲導犬訓練施設となり、計281頭を無償貸与してきた歴史を述べた。その上で「50周年に向け、役職員一同、力を尽くして社会貢献できるよう頑張っていきたい」と語った。

40周年式典であいさつする中村博文理事長


 来賓として大曲昭恵副知事月形祐二市長が出席。月形市長は「だれにでも優しいまちづくりのため、九州盲導犬協会の人たちと共に励んでいきたい」と祝辞。続いて、混合ワクチン接種などで支援した県獣医師会と、ラジオで募金キャンペーンをしているRKB毎日放送に感謝状が贈られた。


 式典に続いて、40周年感謝祭の催しがあった。オープニングは、2年半前から盲導犬ヨツバと共に生活している鹿児島県霧島市の藤崎亜紀子さんによるハープの演奏会。ヨツバと一緒にJRの列車で月3回、レッスンに通って指導を受けている大竹智巳さん(鹿児島市)と2人で、荒井由実作曲の「やさしさに包まれたなら」など6曲を披露した。

ハープを演奏する盲導犬ユーザーの藤崎さん(左)と大竹さん


 藤崎さんは視力が低下した後、新たな趣味を始めようと、8年前から大竹さんのもとでハープを習っている。ハープのボードに石を配置し、ドの弦がどこにあるか分かるように工夫するなどし弦をはじいている。


 ヨツバは、発表会でも、レッスンでも、いつも藤崎さんのそばでくつろぎながら演奏を聞き入っているという。藤崎さんは「一人ではかなえられない夢がヨツバやみんなの手伝いがあって実現でき、とても感謝しています。ヨツバがパートナーとなり、好きな時に出掛けられるようになり、とても助けられています」と笑顔を浮かべた。


 続いて、視覚障がい者のクライマー、小林幸一郎さんが記念講演。「見えない壁だって、越えられる」と題し、クライミングを通じて、失いかけた自信を取り戻し新しい可能性に気づいた経験を語った。また、盲導犬ユーザーに、ボランティアが盲導犬と暮らして良かった点などを質問するプログラムもあった。

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