糸島市志摩の引津校区姫島行政区で1月26日、市コミュニティ推進課と姫島行政区長との共催で、「みんなで姫島の未来ば話そう会」が開催され、島民22人が参加し意見交換の場をもった。
市は、2010年度、16年度と比較した21年度の人口増減率がいずれもマイナスとなっている7校区(桜野、長糸、引津、怡土、一貴山、福吉、雷山)を人口減少地域とし、持続可能な地域づくりに向け取り組みを進める。姫島行政区長の須田正人さんは、「人口減少地域と聞いてドキッとした。姫島のことを考えないかん」と一番に手を挙げ、7校区70行政区の中で、引津校区の姫島行政区が一番乗りの開催となった。
17年から市全体の人口は増加に転じたが、海や山といった糸島の魅力を支える7校区内の行政区の一部では、人口減少が続いている。校区ごとのまちづくりでは同じ校区内であっても地域差があるため、行政区単位で、地域住民が意見交換をし、その中で生まれる動きに市が伴走する。
漁船が波に揺られてきしむ音が鳴り、街灯が夜の港を柔らかく照らしだす姫島。港際にある集会所に三々五々地域の役員ら住民が集まった。
人口推移が今のままいくと、10年後には150人が121人に、高齢化率は35.3%から58.8%に。また、12年後には小中学生の子どもがゼロとなる可能性が高いとの人口推計シートを皆食い入るように見つめた。
その後、5、6人でテーブルを囲み、10年後の姫島の未来について、それぞれの思いを出し合い意見交換をした。「子どもの姿が見られる島がいいよね」「島を出た子どもたちが帰ってこられるような島に」「全島あげての運動会や文化祭は続けたい」。それぞれが10年後の見たい未来を思い浮かべ、「若者が働く場がね」「漁業がもうからないと」「3世代同居はお互い気を使う」とその難しさも出し合った。その上で、できることを探し「姫島には豊富な魚があるので、島で食事をするところができたら」「空き家をリノベーションして、若い世帯が親とは別に住めるようにしたら」「島留学を受け入れる」と具体的なアイデアも飛び交った。
「今すぐには取り掛かれないかもしれないが、厳しい現実を共に認識したのでみんなで動かないと」と参加者の声。それぞれに思いを温めた。
コミュニティ推進課の札本真希係長は、「たくさん出たアイデアを、形にする前の土壌ができたのでは。これからも意見交換の場を重ね、市からは必要な情報を伝えながら、時間をかけて伴走していく」と力強く話した。
意見交換会は対象地域の行政区長から希望を受け、順次開催する。