コラムまち角– tag –
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【糸島市】《糸島新聞連載コラム まち角》季節の循環に安堵
ヘミングウェイ、それともサンテグジュペリにしようか。自宅の本棚に並ぶ文庫本を眺め、昔、魂を揺さぶられた文学作品を、つい読み返してみようかと思う季節になった。秋の夜長、開けた窓から流れ込んでくる心地よい風と、虫の音に心を澄まされながら、名... -
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【糸島市】《糸島新聞連載コラム まち角》至極色の黄昏時
黄昏(たそがれ)時の空が美しい季節になった。糸島で最も気に入っている風景の一つが日の入り後の加布里湾。薄明の大空が赤やオレンジ、緑、紫に染まり、鏡のような水面に映る。この上なくぜいたくな風景だと、目にするたびに感じる。こうした時間帯は、... -
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【糸島市】《糸島新聞連載コラム まち角》万葉歌人に愛でられた萩
自宅の庭に植えている萩(はぎ)が赤紫色の花を咲かせ始めた。何本もの枝先をきれいに垂らした萩は日ごとに華やかさを増し、近いうちに満開となり、美しく彩られた滝のようになるだろう。草冠に秋と書く萩は、まさに秋を代表する草木。奈良時代にできたと... -
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【糸島市】《糸島新聞連載コラム まち角》サンマの好不漁と地球環境
「星降るや秋刀魚の脂燃えたぎる」。食欲をそそる煙の匂いを漂わせながら、ジュウジュウと焼かれるサンマが思い浮かぶ俳人石橋秀野の俳句。今秋、何年かぶりにこの句にあるような光景が何度も見られる家庭も少なくないだろう。スーパーに行くと、大ぶりの... -
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【糸島市】《糸島新聞連載コラム まち角》皆既月食で現れた冬の星座
主役の月ではなく、脇役の星々に心を奪われた壮大な天体ショーだった。8日未明から明け方にかけ、3年ぶりに国内で観測された皆既月食。満月が地球の影に隠れることで起きる。月全体が最も深く影に入った午前3時過ぎに起床し、夜空を見上げてみた。赤銅... -
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【糸島市】《糸島新聞連載コラム まち角》人の暮らしで維持された自然
秋の訪れを感じ取ってみようと、標高約600メートルの山間地にある佐賀県唐津市七山の樫原(かしばる)湿原に出掛けてみた。「九州の尾瀬」と呼ばれる湿原植物の宝庫。現地で配布されているパンフレットの写真で植物の名前を調べながら、観察道をゆっくり... -
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【糸島市】《糸島新聞連載コラム まち角》「幸運艦」がたどり着いた未来
平穏な日常と、張り詰めた空気を漂わせる武力が混じり合う港を訪ねてみた。米海軍と海上自衛隊の基地がある長崎県佐世保市の佐世保港。8月から劇場公開されている映画「雪風 YUKIKAZE」を鑑賞したのがきっかけだった。雪風は、太平洋戦争で、数々の戦場... -
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【糸島市】《糸島新聞連載コラム まち角》幸福度の物差し
「安全、健康、幸せ、穏やか」。知人の勧めで、朝目覚めたとき、こう唱えてから起床することにしている。何者からも危害を加えられる恐れがなく、心身ともに患っていない。それがどれほど幸せなことか、感謝の気持ちを込めて感じ入り、穏やかな境地で一日... -
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【糸島市】《糸島新聞連載コラム まち角》街で見かける「日傘男子」
男が日傘を差すなんて、恥ずかしいー。近年の猛暑続きの夏は、こうした感覚を変えてしまいつつある。強烈な日差しの下、建物の日蔭を求めながら街を歩いていると、年齢に関係なく、日傘を手にした男性を見かけるようになった。その姿に違和感はない。性... -
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【糸島市】《糸島新聞連載コラム まち角》被爆者の「悲惨と威厳」
1945年8月6日、広島に、9日、長崎に原爆が投下されてから80年。閃光を放ち炸裂(さくれつ)した原爆は瞬時に、灼熱(しゃくねつ)の火球を生み、爆心地の地表は、鉄の溶ける温度をはるかに超える3千~4千度に達した。すさまじい爆風により、広島では... -
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【糸島市】《糸島新聞連載コラム まち角》鮎を育む「理想郷」
竹串を持って、鮎(あゆ)の塩焼きにかぶりつく。炭火で焼かれたパリッとした皮と、ほくほくとした白身の食感がたまらない。大分県日田市の鮎料理専門店。夏の盛りになると、涼を求めて遠出し、滔々(とうとう)と流れる三隈(みくま)川が眺められる店で... -
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【糸島市】《糸島新聞連載コラム まち角》水星逆行をどう受け止めますか
新聞や雑誌に星占いが載っていると、つい目が向いてしまう。今、西洋の占星術で重要な意味を持つ天体現象が起きているという。今月18日から8月11日まで続く水星の逆行。日ごとに夜空を観測すると、水星を含む惑星は恒星の間を西から東へと動いているよ... -
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【糸島市】《糸島新聞連載コラム まち角》「中年の危機」をやわらげるには
中年期の40~50代にかけ自身の人生に対し、悩みや焦り、不安を感じる「ミッドライフクライシス(中年の危機)」を経験する人が増えているという。人生の折り返しを意識する年代。男性は社会的な立場で、若いときに思い描いた希望と現実との隔たりに悩みが... -
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【糸島市】《糸島新聞連載コラム まち角》「あんぱん」と「フォレスト・ガンプ」
国民的人気キャラクター「アンパンマン」の生みの親、やなせたかしさんと妻の暢(のぶ)さんをモデルにしたNHKの朝の連続テレビ小説「あんぱん」。今田美桜さん演じるヒロインが、いつも元気よく走っているシーンがとても印象的だ。前向きな気分にさせてく... -
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【糸島市】《糸島新聞連載コラム まち角》「冷夏」は昔のことに
かつては、梅雨が終わる頃になると、順調に明けて夏空が続いてくれたらと願ったものだ。天気がぐずついたまま、夏の日差しをまともに浴びることなく、秋になってしまった冷夏の翌年は、その思いがなおさら強かった。それにしても猛暑が常態化する近年、...
