コラムまち角– tag –
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【糸島市】《糸島新聞連載コラム まち角》画家たちが魅せられた可也山
「この山はどこから見たら一ばん美しいだろうか」。元中学校美術教師の故小金丸輝さんが糸島新聞で40年前に連載した「ふるさと彩時記」で、可也山に触れた回がある。柔らかいタッチの可也山のスケッチに文章が添えられ、小金丸さんの深い郷土愛が感じ... -
【糸島市】《糸島新聞連載コラム まち角》江戸時代の国家づくりと糸島
「江戸のメディア王」と称される版元(出版業者)の蔦屋重三郎が主人公のNHK大河ドラマ「べらぼう 蔦重栄華乃夢噺(つたじゅうえいがのゆめばなし)」。天下泰平、そして文化隆盛の江戸時代の雰囲気を感じ取りながら見ている。それにしても、どのように... -
【糸島市】《糸島新聞連載コラム まち角》渡り鳥と地球温暖化
鹿児島県の出水平野で冬を過ごしたツルの北帰行が始まった。繁殖地のシベリアや中国東北部を目指す2千~4千キロにもなる長旅。その途中、糸島に姿を見せる群れもあり、田園に降り立って羽を休める。ただ、敵に襲われたのか、ケガをしたツルが見られると... -
【糸島市】《糸島新聞連載コラム まち角》こんなに寒いのに立春
こんなに寒いのに、暦の上ではもう春だ。立春を迎えたとはいえ、強烈な寒気の流れ込みで、とても「春立つ」日とはなっていない。ただ、通勤中、うっすらと雪化粧した田園風景を目にしながら車を走らせていると、どこか春を感じさせてくれるものに出合えな... -
【糸島市】《糸島新聞連載コラム まち角》神仏習合しのばせる七福神めぐり
年が明けてから、冬の京都の旅に出かけた。新春に巡拝すると、功徳が大きいとされる七福神めぐりをした。巡礼先は京都市と宇治市にある七つの社寺。全国各地にある七福神めぐりの中でも最古とされ「都七福神めぐり」と呼ばれている。その一つ、福禄寿(ふ... -
【糸島市】《糸島新聞連載コラム まち角》紙の魅力を追求する本
巳(み)年を迎え、自宅の居間の壁に飾っているアートポスターをじっくり見た。描かれているのは7匹のヘビ。黄と赤、青に塗り分けられた7匹は、まるで逆立ちでもするかのように体を絡ませながら宙に上げ、その先の尾を四方八方に広げている。白い小枝が... -
【糸島市】《糸島新聞連載コラム まち角》糸島は「もっている」
新年を迎えたのを機に、糸島の将来像を思い描いていると、ふと「もっている」という言葉が頭に浮かんできた。九州大学伊都キャンパスの移転が着々と進み、六本松地区から全学教育などが移ってきた15年ほど前、ちょうど、この言葉がはやっていた。「ハン... -
【糸島市】《糸島新聞連載コラム まち角》「古里」を残していこう
見慣れた風景が、実はほかにはない宝物であると、つくづくと感じさせられた。広大な田園の向こうに、なだらかに山裾をひく可也山。昨秋、放送が始まったNHKの連続テレビ小説「おむすび」で映し出されるその光景は、とても神々しかった。のどかさの中に... -
【糸島市】《糸島新聞連載コラム まち角》夢広がる映画「ら・かんぱねら」
夢がかなった先に、さらなる夢がいくつも待っていた。ピアニスト、フジコ・ヘミングさん(今年4月死去)の演奏に魅せられ、52歳から独学でピアノの練習を始め、プロでも難しいとされるリストの「ラ・カンパネラ」をマスターした男性がいる。佐賀市のノ... -
【糸島市】《糸島新聞連載コラム まち角》糸島の西行伝説
紅葉の見ごろが過ぎ、自然の色彩が薄れていく季節になった。それでも、散歩していると、咲き誇るサザンカのピンクの花と出合い、心が和まされる。のどかな糸島市の里山に、とりわけ印象的なサザンカの名所がある。県道大野城二丈線の三坂交差点から雷山へ... -
【糸島市】《糸島新聞連載コラム まち角》元寇碑に思う平和
今週号で取り上げた元寇(げんこう)750年シンポジウムの中で、福岡市西区今津にある元寇の記念碑が紹介された。2年前、小欄でも触れた「元寇殲滅之處(せんめつのところ)」という銘が刻まれた石碑。大正時代初期、石碑の建立準備が進められていた時... -
【糸島市】《糸島新聞連載コラム まち角》少子化対策で重要なこと
少子高齢化対策-。少子化と、高齢化とでは解決策が異なるにもかかわらず、これらの重大な問題を一体的にとらえてしまい、向き合ってこなかっただろうか。「いとしま結婚応援団」が11月中旬、糸島市内で開いた福岡大経済学部教授の木下敏之さんの講演会に... -
【糸島市】《糸島新聞連載コラム まち角》合唱の歌声に気高さ
猛暑の日々が過ぎ去り、落ち着いた気分で、芸術が楽しめる季節になった。澄み渡った秋の夕空を見上げていると、ふと、管弦楽の演奏と共に、高らかに歌い上げられる合唱が頭の中によみがえってきた。戦後日本を代表する作曲家、團伊玖磨(1924~200... -
【糸島市】《糸島新聞連載コラム まち角》「すみ分け」による共生
今週号の「先撮り歳時記」で取り上げられているように、来年のえとは「巳(み)」。もう少ししたら、蛇にまつわるさまざまな話題が報じられるようになるだろう。えとの置物のように、かわいらしければいいのだが、本物となると、やはり本能的に苦手だ。た... -
【糸島市】《糸島新聞連載コラム まち角》山下清が「長岡の花火」に込めた願い
その画家の純朴さに、仏様のような平和な心を感じた。夜空に花開くいくつもの花火を描いた貼り絵。心の中で手を合わせ、ただただ見入った。県立博物館で12月22日まで催されている「生誕100年 山下清展-百年目の大回想」。代表作の一つ「長岡の花...